日本のお正月とはひと味違う、中国の新年行事「春節」の縁起物・風物詩
春節は中国の三大節句(春節・端午節・中秋節)のひとつで、旧暦の元旦(小正月)のこと。旧暦の節日のため、春節は年によって異なりますが、毎年1月中旬~2月中旬の時期となります。
新暦の正月(新正月)よりも春節を盛大に祝う中国では、会社や学校も数日間の休日に入り、国中がお祝いムード一色に! 1年で最も重要な伝統行事として、新年の縁起を担ぐさまざまな風習が受け継がれています。
そこで今日は、中国に古くから伝わる、春節のさまざまな縁起物や風物詩をご紹介しましょう。
新しい年の吉祥を祈願する春節定番の飾り物
街の中にも「逆さ福」の文字が
【逆さ福字】
「福字」とは「福」と大きく書かれた飾り物で、家の門やドア、壁などに上下を逆さにして貼ります。中国語で逆さを意味する「倒」と、至るという意味の「到」が同じ発音(とう)であることから、「倒福(福が逆さ)」=「到福(福に至る)」とかけて、「天から福が落ちてくる」となるわけです。逆さ福字は1年を通して飾っている家庭も多く、とくに春節には欠かせない吉祥飾りとされています。
【赤い大きな提灯】
中国の多くの家庭では、春節から旧暦正月15日の「元宵節(げんしょうせつ)」にかけて、赤い大きな提灯(灯籠・ランタン)を部屋や玄関に灯します。大きな提灯は「繁栄と幸運」を意味し、赤は「福を招く最高におめでたい色」とされています。
【金柑の木】
中国で日本の門松に当たるのが金柑(きんかん)の木です。たくさんの実を付けた金柑の鉢植えを、家の玄関やベランダ、店頭などに飾り、木の枝には「紅包(ホンパオ)」という赤いご祝儀袋を下げます。中国語で「金柑」は「金桔」と書きますが、金は「財」、桔は「吉」を意味することから、金柑は「吉祥と富をもたらす縁起のいい木」とされています。
「年越し餃子」を食べて金運アップを祈願!
水餃子の形の由来とされる中国の古銭「元宝」の置物
ちなみに、中国では米と同様に小麦も主食とされていますので、餃子はご飯や麺類と一緒に食べません。皮に小麦粉を使った餃子と、ご飯(米)や麺(小麦粉)の組み合わせは、「主食+主食」のメニューになるからです。日本では「餃子&ライス」や「餃子&ラーメン」という組み合わせが定番人気ですが、糖質オフや健康を気にする人は、中国流の方がいいかもしれませんね(笑)。
春節を盛り上げる「獅子舞」と厄払いの「爆竹」
中国の獅子舞はカラフル&アクロバティック!
獅子舞や祝い事などでたくさんの爆竹を焚くことも、中国の風習としてよく知られています。その昔、たき火に竹を割って投げ入れ、竹がはじける音で災禍をもたらす魔物を追い払ったという伝説から、爆竹は厄を払う縁起物として用いられるようになりました。
しかし、近年は中国で深刻化している大気汚染の問題から、都市部で爆竹を禁止・制限する動きが広まっており、春節を盛り上げる威勢のいい爆音も、街から次第に消えつつあるようです。
日本のチャイナタウンも華やいだ雰囲気に!
横浜中華街の幻想的なイルミネーション
来たる2月5日(火)~19日(火)の春節期間中、横浜中華街・神戸南京町・長崎新地中華街では、獅子舞やパレード、中国伝統芸能の披露など、春節を祝う多彩なイベントが開催されます。
各地域の春節イベント情報は、下記、公式サイトにてご確認ください。
●横浜中華街 公式サイト
●神戸南京町 公式サイト
●長崎新地中華街 公式サイト
── 夜になると、街中がランタンやイルミネーションの輝きに彩られ、散策しているだけでも華やいだ気分が味わえますよ!
春節限定のスペシャルメニューを提供するお店もありますので、ぜひこの機会に横浜・神戸・長崎のチャイナタウンへ足を運んで、エキゾチックな異国情緒と中華グルメを満喫してみてはいかがでしょう。