今日2月22日は「猫の日」。ところで「さくらねこ」ってご存じですか?
耳の先が、「桜の花びら」の形になっているのがわかりますか?
冬の厳しい寒さを乗り越えた野良猫ちゃんたちの世界では、そろそろ恋の季節がやってきます。
発情期を迎えたメス猫たちが、大きな声で鳴いているのを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。その多くは、まだ避妊手術が済んでいない猫たちなのですが、野良猫のなかには、実は手術が済んでいる猫たちもいます。
「さくらねこ」とは
これは飼い主のいない猫の不妊・去勢手術が終わっている、という目印として、手術の際に耳の先をV字カットします。この猫たちのことを「さくらねこ」といいます。これ以上不幸な猫たちを増やさないために、保護団体、個人ボランティアの方々が「TNR」という活動を地道に行っている取り組みなのです。
「TNR」とは
Neuter(ニューター)= 不妊手術のこと
Return(リターン)= 猫を元の場所に戻すこと
この「TNR」は、繁殖制限のためにトラップケージという特殊な仕掛け箱を用いて、猫を一時的に保護し、動物病院でメス猫は不妊手術、オス猫は去勢手術を行い、保護した場所に戻すという活動です。
そして、その一代限りの尊い命のあかしとして、猫の耳先に花びらのようなカットが入ります。基本的に、この耳先カットをしている猫には「お世話をしている人がいますよ」という印でもあります。こうした猫たちは「地域猫」と呼ばれ、複数のボランティアや地域住民たちの協力によって世話をされ、管理されています。
自治体によっては、地域猫の手術代に補助金を出すところや、格安で手術を引き受けてくれる動物病院も増えています。
「保護猫」との出会い
猫の繁殖能力は高い
不妊・去勢手術をしないと、その成長した猫が子猫を産み、またその猫が子猫を産む……という連鎖が起きてしまいます。
飼い主のいない猫のエサやりや糞尿の始末の問題など、猫が好きではない人たちにとってはとても迷惑な話かもしれませんが、耳先カットをした猫からは子孫の繁栄はありません。
猫たちに罪はないのです……。
猫好きのひとりとしては、猫たちが天寿を全うするその日まで温かく見守って、なんとか上手く共生できればと願ってやみません。
もしこれから犬や猫を新しく家族に迎えたいと思っている方、ペットショップで買うことに合わせて、ぜひ保護団体や保護施設から「保護犬・保護猫を引き取る」ことも選択肢の1つとして考えてみてはいかがでしょうか。
そして何よりも大切なことは、「家族の一員」として迎えるわけですから、終生愛情をもって共に暮らしていくことだと思います。