冬の風物詩 蔵王の樹氷見学へ
レジャー
その独特な姿から「スノーモンスター」、「アイスモンスター」などの異名をとる、冬の風物詩、「樹氷」。山形県・蔵王で12月23日から「蔵王樹氷まつり」が開催されるということで行ってきました。
いざ山形へ
蔵王には、冬の山中でこの美しい光景を一目見ようと、日本中そして世界からも沢山の観光客が訪れます。私の場合は東京駅から出発しました。まずは、東京駅から山形駅行きの新幹線つばさに乗車。車窓の外に広がる穏やかな田園風景などを楽しみながら、2時間40分ほどで山形駅に到着です。
新幹線を降りるとすぐ目に入ってくる実寸大の樹氷の模型とパネルに気持ちが高まります。
ふもと付近の雪の様子
下の方はまだこれからですね
駅を出ると、市内には全く雪の気配がありません……
山形市の最深積雪の平年値は、この時期8㎝程度ですが、昨年も年末に2㎝程度の日が3日ほど、今年は積雪深無しの状況が12月20日から続いてます。地元の方も「今の時期にこんなに雪がないのは珍しくて、2年連続で雪が少ないのよ」とおっしゃっていました。
一瞬不安にかられるものの、きっと山間部は雪があるだろうと気を取り直します。山形駅から蔵王へは、バスに揺られること1時間ほど。バスがグネグネとした山道を登り、標高が上がっていくのを感じます。さて、いよいよ「
蔵王温泉スキー場」に到着です。…が、やはり、写真の通り雪が少なく、下の方のコースは地面が見えてしまって半分以上のリフトが運転をしていない状態でした。(12月24日現在です)
リフトからの景色
運転をしているリフトに乗り、山頂部を目指します。上に行くにつれ、次第に一面の銀世界に。過冷却水滴が樹木などについて白く凍りついているため、まるで絵画の中の世界のような幻想的な風景を見ることができました。
樹氷ができる仕組み
冬季、大陸から北西の季節風が日本海の上を渡ってくる時、冷たい空気は相対的に暖かい海面から大量の水蒸気を供給され、雲が発生します。その雲が山形盆地を通って、山形連峰で上昇して雪を降らせます。この時、雲の中には、0℃以下でも凍らない過冷却水滴が雪と一緒に存在しています。このような過冷却水滴が枝や葉っぱに吹き付けられたり、雪がくっついて固まったりを繰り返して樹氷は成長をしていきます。
12月24日現在の樹木の様子
樹氷は今のところはまだあまり育っていなかったのですが、樹氷シーズンは3月中旬まで続きます。1月になると、風上に向かってエビのしっぽのように発達し、2月になると、着氷と着雪により樹氷は更に大きく成長します。これからの樹氷の成長に期待したいですね。
働く雪上車
ゲレンデでは、雪国でしかお目にかかる事の出来ない雪上車に遭遇しました。1月22日は、スキー場ならではの働く車が大集合するイベントが開催される予定です。花火などの打ち上げもあるようですので、ホームページをチェックしてみてください。
樹氷観察や、スキーやスノーボード、他にも沢山のイベントが予定されていて、色々な楽しみ方ができそうですね。
気象予報士、キャスターなどをしています。日本気象協会所属。
天気や役立つ季節の情報を少しずつ配信していきます。
【出演歴】
・TBS「ニュースバード」 「Nスタ」
・静岡放送「SBSイブニン...
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