月は地球から離れていってる!? 月と地球の不思議な関係
サイエンス
昔の人は月明かりだけで夜を過ごしたというけれど、それって暗すぎない? と思ってしまいますが、実は月は昔はもっと近くにあったのです。月は1年に3~4cmずつ地球から離れていっているそう。遠い未来、月は物語上の存在になってしまうのでしょうか。
なんで月は遠ざかるの?
現在の月と地球の距離は約38万キロ。その距離が約2万キロの時代は、1日の長さは約4時間ほどだったといわれます。小学校の理科でも習いましたが、月と地球はお互いに引力があり、引っ張りあう存在。月の引力が、地球の自転軸の傾きを23度に保ち自転を鈍らせることことで、地球の気候の調節装置のような役割を担い、潮の満ち引きや生命そのものに強い影響を及ぼします。月が地球から離れる理由は諸説ありますが、その潮の満ち引きが月が地球から遠ざかる原因とも言われています。
月が完全に地球から離れたら?
月が完全に離れてしまうと、地球は超高速で自転をはじめ、1日の長さは約3分の1となり、強風や砂嵐が吹き荒れます。さらに地球への隕石の衝突によって大量絶滅が発生するとも言われています。まさに、月は幸運の女神のような存在なんですね。
また、月は地球の4分の1ほどの大きさがあり、衛星としては、大きすぎるという説も。たとえば火星の2つの衛星は火星の100分の1以下のサイズだし、地球とほぼ同じ大きさの金星には、衛星すら存在しません。そのことからも、月は特別な存在であると同時に、惑星として独立するだけの大きなポテンシャルを秘めているのです。
よく男性を地球に、月を女性に例えることがありますが、男女の関係性同様に神秘的であればあるほど、いつまでも側に寄り添ってくれる存在ではないのかもしれません。
見逃しちゃった人も安心して!今年来年は皆既月食の当たり年
月が離れていっているということは、月食の見え方も変わってくる? 見た目にはそう変わりませんが、同じ距離感での月食は二度とない、というのが正しいのかもしれません。
2014、2015年は月食の当たり年と言われています。10月8日の皆既月食を見逃した方も、安心して。次回は2015年の4月4日に日本でも皆既月食が観測できます。
大人も子供も楽しめる、奇跡の天体ショー。ぜひ楽しんでみてください。
月が教えてくれること
宇宙規模で考えると、わずかな距離ではあるものの、確実に月は遠ざかっています。でも、言い換えれば、今日の月が一番近いということ。今見ている月がいつか地球から離れてしまうことを考えれば、愛しさもひとしお。まるで子供の成長を見守るような気持ちにもなりますね。人との関係性も同じなのかもしれません。今日、一緒に過ごす人がいる幸せを当たり前とは思わずに、毎日を特別な一日という気持ちで過ごせたら、なんだか温かい気持ちになれそうです。
夫と娘、猫2匹とともに東京都に暮らす。広告代理店で、情報誌・Webサイト等の広告企画・制作・編集を経て独立。現在、結婚、進学、就職、ネット販売等の分野で企画・ライティング活動中。テニス、フラ、ワイン...
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