台風の目ってなに?できかたから勢力との関係 台風のしくみを徹底解説
台風とは?台風が発生するしくみ
・赤道より北
・東経100°~180°
にあって、最大風速が17.2m/s以上にまで発達したもののことを指します。
台風は赤道付近の海上(緯度がおよそ5~20度の熱帯収束帯(ITCZ))で、海面水温が26~27℃以上の海域で発生します。
熱帯地方の海は海面水温が比較的高く、海面からの蒸発が非常に盛んになっており、気温も高いため、大気中に多量の水蒸気を含むことができます。
多量の水蒸気は、反時計回りに渦を巻きながら上昇をはじめ、上昇気流が発生します。上昇した水蒸気は上空の冷たい空気に触れることで水滴となり、雲が発生します。次第に上昇気流が強まると、そこに湿った空気が続々と流れ込み、雲はやがて積乱雲へと成長します。
水蒸気が水滴、雲へとなるとき、非常に多くの熱を大気中に放出します。この熱が周りの空気を暖めることで上昇気流が強まり、気圧も下がります。これが繰り返し行われることで積乱雲はさらに発達し、台風(熱帯低気圧)へと成長していくのです。
台風の目とは?
どうして台風の目ができるのか
この上昇気流に伴って台風の目を取り囲むように、背の高い非常に活発な積乱雲の壁ができます。この雲のことをアイウォールと呼びます。
さらに、中心付近の少なくなった空気を補うように、台風の目の中は、下降気流が発生しています。下降気流の場では雲が発生しないため、雲の少ない台風の目ができるのです。
台風の目と勢力の関係は?
台風が発達している最中は、台風の中心に吹き込む風が強まり、それに応じてさらに強い遠心力が働くため、台風の目は小さく、はっきりとしてきます。
テレビの天気予報を見ていると、ときどき、気象予報士が「台風の目がはっきりしています」と触れることがありますが、これは、発達した台風への警戒を呼び掛けるためでもあります。
台風の目が小さくはっきりとしていたら、その台風の中心付近の最大風速は強まっている最中ですから、台風の勢力は強いと判断することができるわけです。
台風の目の中は安全なのか?
再び雨や風が強まり、非常に危険な状態になりますので、台風が接近しているはずなのに、雨や風が弱まった時は、台風は過ぎ去ったのかと勘違いしないように気を付けて下さい。
台風が日本に接近しやすい時期は?
台風は自力で移動する力はなく、周囲の風や上空の風によって移動するため、太平洋高気圧の日本付近への張り出しの程度や、偏西風の位置などによって、月ごとに進みやすい経路が異なります。
1年のうちで台風の発生数は8月が1番多くなりますが、8月頃は台風の進路に影響を及ぼす上空の風が弱いため、台風の移動速度は比較的遅く、台風は不安定な経路をとることが多くなります。
9月頃になると、次第に太平洋高気圧の勢力が弱まり、偏西風が日本付近に南下してくるため、台風が偏西風にのって速度を上げ、日本付近を比較的早い速度で通過していくことが多くなります。
台風への備え
■窓や雨戸の補強をする
窓や雨戸のカギをしっかりとかけましょう。雨戸やシャッターがない場合は、窓ガラスに飛散防止フィルムやガムテープ(養生テープ)、ダンボールなどを貼っておくと、万が一窓ガラスが割れたときに破片が飛び散ってケガをするのを防ぐことができます。カーテンなどを閉めておくことも有効です。
■側溝や雨どい・排水溝を掃除する
側溝が詰まっていると雨水がうまく流れず、溢れ出す可能性も高まります。側溝や雨どい・排水溝などにゴミなどが溜まっていないか確認し、ゴミなどがたまっていた場合は、掃除をして水はけを良くしておきましょう。
■室外の物を固定したり、室内にしまったりする
室外にあるものが飛ばされてケガや事故につながる可能性があります。ベランダや庭にあるもの(植木鉢や物干し竿・バケツなど)はできるだけすべて室内にしまいましょう。
どうしても室内にしまうのが難しい場合は、あらかじめ倒した上で固定しておくようにすると良いでしょう。
■浸水に備えて土のうや水のうなどを用意する
土のうは自治体などで配布しているところもあります。土のうの入手が難しい場合は、二重にした大きめのゴミ袋に水をためて作った水のうを代わりに使用しましょう。水の侵入を防ぐため、玄関などの水の侵入が考えられる場所に、土のうや水のうを設置しましょう。
■スマートフォンや充電器、ノートパソコンなどを充電しておく
スマートフォンや携帯電話は、万が一の際に連絡を取ったり、情報を入手したりする手段として、必需品となっています。停電に備えて、あらかじめスマートフォンや携帯電話、充電器の充電をしておきましょう。
ノートパソコンも同様です。また、ノートパソコンは、充電器の代わりとして使用することも可能です。
■電化製品や家財道具を2階以上にあげておく
浸水の危険がある場合、テレビやパソコンなどの動かせる電化製品や家財道具は2階以上へ移動させておきましょう。
7月~10月は台風シーズン
台風は1年を通して発生しており、7月~10月にかけては台風シーズンとなります。過去には10月に発生・上陸した台風(令和元年東日本台風(台風19号:2019年10月10日~10月13日)等)により大きな被害がもたらされたこともあります。最新の台風情報はこまめに確認するようにして下さい。