もうすぐ経理作業の繁忙期に突入。企業の決算が3月に多い理由とは?
今はほとんどが銀行振込みのボーナスですが、なぜ6月と12月が一般的なのでしょうか?
多くの会社では3月31日を決算日に設定していることから、経理関係の仕事をしている人は、これから一年で最も忙しい時期に突入するのではないでしょうか。
それにしても、年度の区切りは、なぜ3月末に設定されているのでしょう。
1月〜12月末で区切ったほうがわかりやすいような気もするのですが……。
そこで今回は、日本企業の決算日について調べてみました。
公的機関の区切りに合わせ、経理作業を効率的に
国や地方公共団体の予算編成が4月~3月末に設定されているため、業種によっては3月に大きな駆け込み受注が飛び込んでくる場合があります。その売り上げをいち早く決算書に反映するため、決算日を3月末に合わせる企業が多いのです。
また、消費税率など、税法の改正が4月1日から適用されることが多いですね。
これは、会計年度の途中での経理処理方法の変更を回避するため、3月末で年度を区切るという理由があります。
さらに、教育機関も3月に1年の区切りを迎えます。
そのため、新卒社員を迎え入れられるのも、当然4月1日。
営業成績などは年度の区切りごとに評価されることから、入社●年目という区切りと、会計年度の区切りを一致させておくと、人事査定の面からも利点があるからなのです。
決算が8月? 12月? 3月に決算を行わない企業の理由とは?
決算作業は経理担当が行う決算手続きだけではなく、実地棚卸(たなおろし)など、売り場での作業も絡んでくるためです。
実際に、ファッション用品を扱う大手小売店は、決算を8月に設定。
これは、7月頃から夏のバーゲンを実施すると、8月末頃にはだいぶ在庫が消化でき、各店舗での実施棚卸の作業がとてもラクになるためです。
同様の理由で、大手のビール会社は12月を決算月に設定しています。
ビール業界の繁忙期といえば、歓送迎会が多い3~4月、ビールがおいしい7~8月、忘年会の時期である12月です。
そのため、12月末日に決算日を設定し、売り上げが少し冷え込む1~2月を決算作業に充てることで、業務を効率的にまわしているのです。
「生活に役立ててほしい」。ボーナス時期はそんな企業の計らいによって設定
それも企業の業務フローと関係があるのでしょうか。
これには諸説ありますが、そもそもボーナスは通常の給与に補助支給されるお金です。
そのため、出費がかさむ「盆」と「年越し」に備えて支払うのがよいだろうという計らいで、この時期に支給された名残が残っているといわれています。
特に年越しは万人に同様の暦で訪れるものであり、また、いろいろなお店で「ツケ」がきいていた時代は、年末にまとめて支払うという暗黙のルールがあったため、冬のボーナスを12月に支給する企業が圧倒的に多いようです。
しかし、盆は地域によって変わるため8月に固定せず、また12月の支給とバランスよくするため、ちょうど半年後の6月に設定する企業が多くなったようです。
あなたの決算やボーナス時期がどのように設定されているのか……
それを探ることで今まで知らなかった会社の一面が見えてくるかもしれませんよ。