初夏ですが…麦は秋を迎えます!「麦秋至(むぎのときいたる)」
ちょっと温度が上がれば欲しくなる「麦」は? 「麦茶」⁉
麦がビールになるためには、麦の穂の実(稲でいうお米)に水を与え発芽させて麦芽にする必要があります。麦芽にすることで麦のでんぷんを糖化、発酵させやすくなるということです。
最近はカロリーオフやノンアルコール、また透明のビールまで登場しています。使われる材料により味はさまざま。好みのビールを時に合わせて楽しみたいですね。
暑くなれば落ちやすい食欲。そんな時に助けになる「麦」は?
素麺の紙一本に括らるる 平 美佐子
冷や麦にひと筋の紅妻在らず 都甲 龍生
冷麦や昔めきたるガラス鉢 広瀬 美保
素麺はなぜだか、たいてい50グラムずつ束になっています。「いくつ食べる?」とみんなに聞いてまわるのは子供の役目でしょうか。大きな鉢にはいった素麺や冷や麦をみんなで突っつき合って食べるとき、麺の水をよく切らずに入れてあっという間に味が薄まってしまい、つゆの追加をせがんでおこられたりといった団欒もいいものですね。
麦が稔りを迎える頃、水田では秋の稔りに向ってさあ、田植えです
早く寒くなる北の方が収穫の時期が早いからでしょうか。田植えは早いところでは3月の末から始まります。ゴールデンウィークの休みを利用して田植えを行うのは他の仕事と兼業している農家に多いとか。連休明けから5月末にかけてや、梅雨時期の6月に田植えを行う農家など、田植えは地域や農業の方法、取り組みかたで期間に幅があることがわかります。
麦作はしばしば稲作の裏で行われます。そんなときは麦を収穫した畑に充分の肥料を与えて水田にしてからの田植えとなるそうです。
大地に根を下ろし自然の中で育まれ、そして戦いを経て稔りへ。「稔るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」の言葉は稲の稔りの姿を、相手に対する謙虚な姿勢に重ねた人徳を表わしています。麦は稲と違い真っ直ぐに力強く稔ります。剛柔ともに持つしなやかさは今の時代にこそ必要ではないか、と麦や稲を見ていて感じます。「自然は人生の師」なのでしょう。麦の秋ですね。