惑星の「逆行」シーズンが到来!なぜ、逆行するの?占星術での意味は?
今回は、古代の天文学者たちを惑わせ、占星術の世界でも大きな意味をもつ、「惑星の逆行運動」について考えてみましょう。
惑星という名称に由来する、「逆行」とはどんな現象?
ところが、惑星が東から西へ動き、まるで来た道を戻るかのような「逆行」という現象が周期的に起こります。この不穏な動きは、天動説を唱える古代の天文学者たちを悩ませ、占星術にも影響を与えました。この現象は「惑星(planet)」の名前の由来になったといわれ、英語のplanet(プラネット)の語源はギリシア語の「プラネテス」で、「さまよう者、放浪者」を意味します。
実際には惑星が逆方向に動くことはなく、「逆行」はあくまで見かけ上の動き。地球の外側をまわる外惑星(火星・木星・土星・天王星・海王星)の場合は、外惑星よりも地球の方が公転周期が短いことが要因となります。逆行が起こるのは、地球が外惑星を追い越そうとするときなのです。逆に、内惑星(水星・金星)の場合は、地球よりも内惑星の方が公転周期が短いために逆行が起こります。
4つの天体が逆行中。8月には5天体に増加!
天体によって頻度と期間には規則性があり、水星は1年に3回程、約3週間続きます。金星は1年半に一度が約1か月間、火星は約2年に一度が60日程、木星・土星・天王星・海王星・冥王星は、それぞれ約1年に一度、5か月前後続きます。
現在逆行中の木星と土星は、肉眼で観察可能。木星はみずがめ座を西に移動しています。真夜中の南東の空に見え、マイナス2.6等からマイナス2.8等で明るく輝いています。土星はやぎ座を西に移動中。真夜中の南東から南の空に見え、明るさは0.4等から0.2等です。梅雨の晴れ間のひと時、夜空を見上げてみませんか。
「水星の逆行」が、占星術で注目される理由とは?
【2021年逆行スケジュールとメッセージ】
★水星
1回目:1月31日〜2月21日
2回目:5月30日〜6月23日
3回目:9月27日〜10月19日
コミュニケーションや情報伝達、通信、移動、交通などでのトラブル。内面を整え、自分らしい思考を練る好機。
★金星
12月19日〜2022年1月19日
恋愛や金銭に関することは慎重に。高額な買い物や借金などにも注意。美しいものに触れて感性を磨く時期に。
★火星
逆行なし
次回は、2022年10月30日〜2023年1月13日
衝動的な行動を避ける。停滞感や無力感に捉われやすい。過去の行動を見直し、自分らしいやり方を模索する時間を持って。
★木星
6月21日〜10月18日
拡大や発展のスピードが落ちる暗示。社会全体への影響も。現状維持をキープするなど、じっくり物事に向き合う時期。
★土星
5月23日〜10月11日
課題や責任、苦手なことにも向き合う期間。過去の経験から得るものを大切にしながら、新たな一歩を踏み出す準備を。
★天王星
(2020年8月15日)〜2021年1月14日
2021年8月20日〜2022年1月19日
社会全体と自分の間にある壁を取り払いたい時期。世の中に目を向けて、視野を広げることを大切に。
★海王星
6月26日〜12月1日
夢や理想を追い求める傾向に。現実を見て、自分と社会に向き合うことを心がけて。
★冥王星
4月28日〜10月7日
無力感に襲われても、生まれ変わるような気持ちを大切にしたい時期。
天体の逆行のなかでも、特に「水星逆行」が注目されるのは、より身近な内容で個人的な影響を受けやすいことにあるようです。水星の公転周期が短く、頻繁に逆行が起こることも一因といえます。水星が司る「情報、コミュニケーション」の分野が、人間関係や仕事といった私たちの日常に、いかに直結するテーマであるかを物語っていますね。逆行が重なる時期を迎えている今、振り返り、やり直し、再挑戦のチャンスと捉え、自分との対話を楽しんでみてはいかがでしょうか。
参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2021』 アストロアーツ
石井ゆかり『星読み+』幻冬舎
参考サイト
アストロアーツ