ルネ・クレール、ウディ・アレン、レオス・カラックス。映画で巡る、パリの時間旅行へ!
日本でも関連イベントが行われており、フランスの文化に親しむ機会になっていますね。今回は、過去、現在、未来のパリを舞台にした3本の映画をご紹介します。パリを巡る時間旅行に出てみましょう!
モノクロで綴られる、パリの下町の恋模様。ルネ・クレール監督『巴里祭』
『巴里祭』(1933年)の原題は、『Quatorze Juillet(7月14日)』。フランス革命記念の「巴里祭」前日、にわか雨がきっかけではじまった恋とその後のすれ違いが、笑いと哀愁を織り交ぜて描かれています。
戦前に公開され、日本でも大ヒットを記録。そのため、公開時のタイトル『巴里祭』は、日本でのみ「Fête nationale française」を指す呼び名となったのです。
現在、『巨匠ルネ・クレール監督 生誕120周年記念』として、4Kデジタル・リマスター版がYEBISU GARDEN CINEMA(東京)ほか全国で順次公開中。この機会にぜひ映画館で鑑賞したいですね。
古き良き1920年代のパリにタイムスリップ!ウディ・アレンの『ミッドナイト・イン・パリ』
過去と現在を行き来する主人公は、小説家志望のアメリカ人。ある夜、若きヘミングウェイが住んでいた部屋近くの教会から、過去のパリにタイムスリップします。そこで彼は、ガートルード・スタインやフィッツジェラルド、ダリやピカソ、ヘミングウェイといった芸術家たちと交流し、夢のような時間を過ごします。
やがて現在に戻った主人公は、重大な決断をすることになります。夢の世界だったパリが現実となった時、彼はどのような日々を過ごし何を感じるのでしょうか。
近未来、漆黒のパリ。鬼才レオス・カラックスが描く疾走する青春映画『汚れた血』
舞台はハレー彗星が再び近付く近未来のパリ。人々は、治療法がみつからない“STBO”という奇病の蔓延に怯えながら暮らしています。
ドニ・ラヴァン演じる主人公アレックスは、カラックス監督の分身といわれる存在。天涯孤独で閉塞感をかかえる少年アレックスは、ある日ひとりの少女に恋をします。そこから彼の人生は大きく変化し、衝撃のラストへ向けて疾走していきます。
主人公はアレックスなのですが、謎めいた美少女を演じるジュリエット・ビノシュと、アレックスの美しいガールフレンド役のジュリー・デルピーが秀逸。ふたりのみずみずしい透明感と凛々しさが、『汚れた血』を奇跡の青春映画にしたのかもしれません。
カラックス監督、ドニ・ラヴァンとジュリエット・ビノシュ主演の『ポンヌフの恋人』、ジュリー・デルピーが主演、脚本を担当した『ビフォア・サンセット』もパリが舞台。
ロマンチックでミステリアスで、時に愁いをおびたパリ。数多の映画の舞台となったこの街の魅力を、ぜひ堪能してみてはいかがでしょうか。