あなたは字幕派?吹替派?いつもお世話になってます。洋画・字幕吹替事情。

吹替9割?字幕は3割⁉︎
と、ついつい字幕贔屓になってしまう筆者ですが、吹替にも魅力を感じる事があります。一番の魅力は画面に100%集中できることです。耳からスッと入るセリフは聞き損じてしまう事も少ないですね。
そして言える事は面白い映画は字幕でも吹替でも面白いのだと思います。よく言われる事ですが、セリフでストーリーを語らせる映画はつまらない、という事です。良い映画は俳優達の表情や動作、丁寧な情景描写で充分伝わるものです。例えば朝の忙しい様子は俳優達が慌ただしく動き回ったり、時計の針がどんどん進む画面などで伝わりますが、最近の映画は俳優達に「あー、忙しい、忙しい」などと喋らせてしまったりしますね。こんなセリフは字幕で目から入っても吹替で耳から入ってもつまらないセリフです。
吹替は字幕の制作費の5倍以上かかるという面もあるので、すぐに吹替100%になってしまう事はないと思いますが、現在の字幕・吹替、好きな方を選べる状況がずっと続くと良いですね。
字幕文字、手書きからフォント(写植文字)へ。分岐点は「A.I.」。
手書きの場合1行ごとに一枚のカードに書き、それを凸版にし、薬品でフィルムを溶かし文字を抜くそう。その為1文字の中に必ず隙間を作らなくてはならずあのような独特な字幕文字になったのですね。一本の映画につきこの1行書いたカードが約1500枚ほど必要なのだとか。それを一枚一枚フィルムに焼き付けていくのは大変な労力ですね。
時は流れ技術は進歩、2000年頃からフィルムにレーザーで焼き付ける方法が開発されあの文字の独特な隙間が必要でなくなり、フォントが使えるようになりました。でもあの独特な字幕文字は健在です。字幕職人の第一人者・佐藤英夫さんが書き起こした文字を元に作られたフォントが今でも主流だそう。今では何種類ものフォントがあるそうで、映画配給会社のスタッフ達が映画の内容にあったフォントを選んでいるそうです。やはり慣れ親しんできたあの独特の字幕文字が選ばれる事が多いようですが時々ゴシック体なども見かけるようになりました。ちょっと味気ない気がするのは筆者だけでしょうか。
字幕&吹替の賛否両論。色々事情があるようです。
しかし、この日本特有の下町言葉を使う、日本にしかない文化に置き換えた言葉を使う事に違和感を覚える人もいるようです。例えば最近ヒットしたコメディ映画「テッド」。コメディ映画ならではですが、アメリカのみで流れているCMなどのギャグ、コメディアンのギャグのモノマネなどが多かったそう。これをそのまま訳しても日本人には全く理解できませんよね。なので翻訳者が似たようなもので…と、くまモンに置き換えセリフに混ぜたところ「アメリカにはくまモンはいない!」と、指摘され取りやめになったとか。でも逆に考えてみて下さい。現在大流行中の「安心してください」これだけで日本人ならいろんな意味を受け取り笑う事ができますが、海外の方には全く理解できないのでは。きっと、似たニュアンスの私達の知らないギャグに置き換えられているのではないでしょうか。
又、最近必ず賛否両論がわき起こるタレントの吹替。その道のプロではないタレントや俳優、時にはアイドルが吹替を務めることも。筆者もやはり声優による吹替が望ましいのでは。と思いますが、声優独特の達者すぎる(?)セリフ回しより自然体なタレントや俳優も時には良いのでは、という声もあるようです。あえてその「自然体」を狙い吹替をキャスティングする制作者もいるようです。しかし、大体の目的は話題のタレントを起用する事によりマスコミに取り上げてもらえる、という宣伝効果が狙いのようです。色々「大人の事情」があるのですね。
よく言葉は生き物と言いますね。その時代時代に合った翻訳をつけるのは字幕であれ吹替であれ同じように大変な労力ですよね。たずさわる方々は日々、鍛錬なさっているのだろなぁと思います。洋画・海外ドラマ好きの筆者にはなくてはならない存在の方々です。今年もたくさんの映画や海外ドラマを観て活力をもらいました。今年もお世話になりました。又来年も素敵な映画や海外ドラマに出会いたいですね。