ただいま見頃の薔薇(バラ)、薔薇のある生活を楽しもう!
ピエール・ドゥ・ロンサール(つる性のバラ)
ギリシャ神話では、美と愛の女神アフロディテがキプロス島の海から生まれ出たときに誕生した花だといわれ、花言葉は、「愛情」「美」。ローマ帝国に君臨したジュリアスシーザーは、バラの冠をかぶり、薔薇の絨毯、薔薇のある噴水に、天井画に薔薇を描かせた空間で過ごしたという記録もあり、薔薇は見た目のエレガントさ以外にも疫病予防などで重宝されていたとのことです。
2018年は、世界40か国が参加する「世界バラ連合」設立50周年。6月にはデンマーク・コペンハーゲンで「世界バラ会議」が開催されるなど、国際的な薔薇の年でもあります。本日は、見て、香って、飲んで、食べて、身に着けて、そんな薔薇の魅力に迫ります。
バラと縁のある宗教とは⁉
キリスト教にとってもイスラム教にとってもシンボル的な花
美の女神アフロディテの花とされていましたが、キリスト教では、後に聖母マリアの花になり、以下のような伝説ものこされています。
一人の敬けんな修道僧が森の中でアベマリアの祈りを唱えていた時、盗賊に襲われかけます。すると地面から光が立ち上り、威厳ある美しい女性になったかと思うと、修道僧の口から見事な50本の薔薇を引き出し、冠にして修道僧の頭に載せました。修道僧の祈りの言葉が次々に薔薇の花になったわけです。盗賊たちは驚き、感動し、それまでの生活から足を洗って、神に仕える身になったということです。
キリスト教では、薔薇がシンボルとなってからは、赤バラは「殉教」を、白バラは純潔を象徴するようになりました。ノートルダム大聖堂で有名な円形のステンドグラスで飾られた大窓は「バラ窓」と呼ばれ放射状の薔薇の花びらのようです。一度はみてみたいですね。
また、イスラム教では、白バラは創始者マホメットを、赤バラは絶対神アラーを象徴しているとされています。バラ水を神聖なものとして死者の体を清めるのことにに利用したりもします。薔薇の名所が多いイラン、サウジアラビア、モロッコ、ブルガリア、ポルトガル、ルクセンブルクの国花でもあります。特に、赤バラはイラクとオマーンの国花とされていますね。ローズウォーターや薔薇の精油の産地でもあります。
楽しもう!様々なシーンの薔薇(バラ)ライフ
薔薇のジャム
薔薇の花びらを使ったバラジャムは、ロシアでは紅茶にいれロシアンティーとして飲むのが一般的。スコーンやお菓子と一緒にいただいてもよいですね。作り方は、インターネットなどにも、たくさん掲載されているので、興味のある方はチェックしてみてください。また、非加熱の野ばらのハチミツをご存知ですか?ほんのり薔薇の香りがしてさっぱりとさわやかな味です。一度試していただきたいです。
1年間次々と花を咲かせる薔薇(バラ)、ミニバラ~大輪系まで
グリーアイス(ミニバラ)うっすらしたピンクから白や薄いグリーンに変化
「木立ち性(ブッシュ・ローズまたは木バラ)」
「半つる性(シュラブ・ローズ)」
「つる性(つるバラまたはクライミング・ローズ)」
「ミニバラ」
樹形の違う3タイプと小型の性質をもつ「ミニバラ」をあわせた4系統は、それぞれ管理の仕方が違います。
お手入れをすれば、春から秋まで咲き続ける薔薇は、手をかけるからこそ咲いたときの喜び、美しさは一層増し、愛好家が多いこともうなずけます。コンパクトなミニバラの鉢植えから始めるのはいかがですか?風通しがよく日の当たる場所で水やり、剪定を行えば次々と花を咲かせてくれます。香りのあるものから、色がピンクからグリーンに変化していくものなど種類もたくさんあり楽しめますね。
NHK出版 みんなのバラ百科
グラハムトーマス(半つる性)
新しい季節や連休の疲れが出るのもこの季節、薔薇を見て、香って、飲んで、食べて、身に着けて、元気にお過ごしください。