いよいよ8月7日開幕、「夏の甲子園」の意外な話
全国の熱い思いが集結する甲子園で、今年もどんな熱戦が繰り広げられるのでしょう
なぜ、高校野球は甲子園で開催されるのか?
通称「夏の甲子園」と呼ばれる全国大会は今年で99回目を迎えます。この大会の前身であった「全国中等学校野球大会」は大阪府の豊中グラウンドという小さな球場で開催されていました。しかし、規模が小さすぎるとのことで、第3回からは阪神電鉄が所有していた鳴尾球場で開催されることに。
ですが、そんな鳴尾球場にも限界がやってきます。観客の増加や水はけの悪さなどから、阪神電鉄は新たな球場を造ることを決意。1924年に阪神甲子園球場が設立されると、同年に全国大会も開催。実は、甲子園以外の球場も加えた2会場で行われた年があったのですが、ただそのとき問題となったのが、甲子園球場で試合ができなかった球児からのクレーム(不満)でした。よって甲子園球場での固定開催が今にも続いているのです。
甲子園の土はどこから持ってくる?
敗北を喫しても、それは輝かしい夏の思い出に!
毎試合、球児たちが甲子園の土を持ち帰るわけですが、この土は、一体どこから来ているのでしょうか? なんと、1年のうち甲子園から持ちだされる土の量は約2トンといわれています。持ち帰られた分だけ、土を足しコンディションを維持する必要があるのですが、甲子園の土は、黒土と砂を混ぜたもの。黒土は日本各地から選りすぐりのものを取り寄せており、岡山県日本原、三重県鈴鹿市、鹿児島県鹿屋、大分県大野郡三重町、鳥取県大山……といったところが主な土の出所となっています。
さらに、プレーしやすいように緻密に配合されている甲子園の土には、中国福建省から取り寄せた砂がブレンドされていて、春と夏では黒土と砂の割合が異なるといいます。雨が多い春には水はけをよくするため砂を多めに、夏は白球を見やすくするため黒土が多めなのだとか。最高のコンディションを保つ甲子園ならではの技といえるでしょう。
校歌は誰が歌っているの?
いざ出陣! 試合後には校歌を歌うぞ!
実はこのボーカル、大阪のテレビ局である朝日放送で収録されています。出場校が出揃うと、初出場校の校歌は新たにプロの男性コーラスによって声入れが行われます。過去に出場した高校でも、録り直しを行う場合もあるそうです。
――高校野球でよく見かける光景も、掘り起こしてみると意外なこともあるものです。
今年も日々熱戦が繰り広げられるだろう高校野球。いろいろな一面をのぞいてみるのもおもしろいかもしれませんね。