5月22日開幕! テニス全仏 赤いクレーコートの魅力
クレーコートならではの試合展開に注目
テニス4大大会の一つで、赤土のクレーコート(土のコート)が鮮やかで特徴的な大会です。
屋根がない全仏オープンのコートですが、雨にも強いといわれるのがこの赤土コートの魅力でもあります。
連戦が続く大きな大会の中、コートのよし悪しは選手のコンディションや大会運営にも大きな影響をもたらします。一般的にメンテナンスが難しいといわれるクレーコートで、優れたコンディションを保つ全仏オープンの赤土の秘密と魅力を探ります。
雨に強い「赤土」の秘密
ですが、全仏オープンでおなじみの赤土のコートは、水持ちがよいためムダに砂が舞うこともなく、さらに水はけもよいという理想的な質感を保っています。そのため、雨で中断しても再開が早いといわれています。
日本では、なかなかお目にかかることのない「赤土」のコートですが、全仏で使われているコートは、かなり鮮やかな「赤」ですよね。
実はコートの上層部に、粉砕したレンガが敷き詰められているのです。これは、プレーするのに適度なすべりを出すためと、ボールを見やすくするためといわれています。世界最高峰の大会ならではのこだわりのコートといえますね。
ローラン・ギャロスに住む魔物
波乱が起こりやすいクレーコートの大会
ローラン・ギャロスは世界で初めて地中海横断飛行に成功したフランスの飛行家。全仏オープンの会場である「スタッド・ローラン・ギャロス」はこのローラン・ギャロスの功績を称えて命名された名前なのです。
なぜかこの大会は「ローラン・ギャロスには魔物が住んでいる」といわれるほど、波乱の多い大会……。
それも、やはりクレーコートが要因のようです。
クレーコートはハードコートなどに比べると球速が遅くなるため、ラリーが続きやすくなります。他の大会であればサーブの強い選手が有利ですが、クレーコートでは技術の高さと持久力が求められます。
そのため、他の大会で上位だった選手でも勝ち上がりが難しい大会なのです。
日本でクレーコートが少ない理由
手入れがしやすい「砂入り人口芝コート」
世界的に見ても雨が多い日本では、クレーコートを維持するのはかなりの労力を要します。
日本のテニスコートで多く見られるのは「砂入り人工芝コート」です。
水はけがよいので、雨が降ったあとでも手間をかけることなく使用することができます。
ですが、クレーコートは足腰への負担が少ないという選手にとって最大のメリットもあるので、テニスに携わる人にとっては悩ましいところでしょう。
── テニスファンにとっては寝不足の日々が続きそうですが、全仏ならではの「赤土」とボールの関係にもぜひ注目してみてください。