「日本の雪だるま」と「西洋のsnowman」。カタチが違うのはなぜ?
日本の雪だるまと違い、西洋のsnowman(スノーマン)は確かに3段です
何気なく、作りたくなってしまう雪だるま。そもそも、なぜ「雪だるま」が作られるようになったのでしょうか?
日本では「雪だるま」という呼び方が定着していますが、西洋では「snowman」という呼び名が一般的ですね。
「雪だるまもsnowmanも一緒でしょ?」と思いがちですが、よく見るとカタチが少し違うのです!
日本ならではの風習がそのカタチに関係しているようですが、そのワケとは一体……。
日本発「雪だるま」のルーツ
雪だるまが初めて誕生した起源は明らかとなっていませんが、江戸時代の後期にはすでに雪だるまは存在したとされています。
江戸時代に活躍した浮世絵師・歌川広景の作品『江戸名所道戯尽 廿二御蔵前の雪』には、雪だるまが描かれています。今のように2段重ねではなく、まさに「だるま」のカタチをしているものでした。この絵には、その雪だるまの近くにお供え物があったことから、縁起物として作られていたと推測されています。
「だるま」から2段重ねの雪だるまへ
2段重ねの雪だるまが主流になってからは、木の枝を腕がわりにしたり、炭を目や鼻に見立てたりと少しずつ擬人化されるようになっていきました。
西洋の雪だるまは3段重ね!?
「man」というくらいですから、「人」に近い存在といえるのでしょう。「だるま」とされていた日本と比べると、どうやら意味合いが違うようです。
2014年に大ヒットした映画『アナと雪の女王』の中で「雪だるま、つくろ~う♪」という劇中歌が話題になりましたよね。この映画に出てくる雪だるまのキャラクター「オラフ」ですが、よく見ると不思議なカタチだと思いませんか? 西洋のsnowmanは3段重ねが主流なんです。頭、胴、足という「人」のカタチを意識しているせいかもしれませんね。
世界一の記録を樹立した、日本の雪だるま「おおくら君」
山形県最上郡の大蔵村では、毎年冬が来ると20m級の高さの巨大な雪だるま「おおくら君」がお目見えします。1995年には、なんと身長29.43mを記録! この記録でギネスブックに認定されましたが、この翌年、アメリカの「オリンピア」という雪だるまが身長37.21mを記録し、見事にギネス記録を更新しました。
縁起物としての「だるま」は日本ならではの文化。
「雪だるま」と「snowman」、国ならではの違いはあるものの、雪で何かを作るという発想は同じなのが不思議なこと。西洋で2段重ねの雪だるまを作ったら驚かれるかもしれませんね。