「ジメ暑」に食べたくなる夏の定番スイーツといえば? 実は、意外に奥深いかき氷の世界
子どもから大人まで幅広い年代に愛される、夏に欠かせないかき氷
そんな日は、ひんやり冷たいかき氷がよりいっそうおいしく感じるはず。
夏祭りや海でよく見かけるかき氷ですが、最近はおしゃれなカフェで、ティラミス味やコーヒーキャラメル味といった洋風かき氷が食べられたり、その土地の野菜やフルーツを使ったご当地ものなど年々進化を遂げています。
今回は古くから貴族に愛され、今もなおトレンドとして名をはせるかき氷の魅力に迫ります。
かき氷はこんなに昔から食べられていた!
あてなるもの ……削り氷に甘葛(あまづら)入れて、新しき金鋺(かなまり)に入れたる
これは「上品なもの ……氷を刃物で削った“削り氷”に甘味のある樹液や砂糖蜜をかけて、新しい金のお椀に入れたもの」という歌です。
当時のかき氷は、冬の間に氷室と呼ばれる冷たい穴に天然氷を入れておき、夏に食べるとても貴重な高級品でした。
その後、明治中期に製氷機、昭和以降に氷削機が登場し、庶民でも気軽に食べられる親しみやすいおやつとなっていったのです。
呼び名や味が異なる、海外のかき氷
日本のかき氷と似ている韓国のパッピンスは、赤いチェリーがキュート!
●台湾の「バーバオビン」
緑豆、ピーナッツ、小豆、タロイモ、タピオカ、コーンなど、8種類のトッピングがのったかき氷。フルーツではなく、健康によさそうな具があふれんばかりにのっています。
●フィリピンの「ハロハロ」
甘い豆やナタデココ、アイスクリームなどのトッピングをいっぱいのせた見た目も楽しいかき氷。
ハロハロはタガログ語で「混ぜこぜ」という意味があります。
●韓国の「パッピンス」
小豆餡や缶詰フルーツ、おもちなどがたくさんのっており、味付けにきな粉を使っています。
フルーツがのったフルーツピンスや抹茶味の抹茶ピンスなど味の種類が選べます。
●シンガポールの「アイスカチャン」
山盛りのかき氷の上にシロップをたっぷりかけ、その上からさらに練乳や果物のピューレなどをかけたかき氷です。
食べ進めるとスイートコーンやゼリーが出てくることも!
そのほか、ベトナムの「タッチェー」やドミニク共和国の「フリオフリオ」など、世界にはその国ならではのかき氷がいっぱいあります。
最近のでは、台湾から上陸したマンゴースイーツ専門店のマンゴーかき氷が人気を博していますが、夏に海外へ行ったらかき氷を食べてみて、味や見た目の違いを楽しむのもいいですね。
日本かき氷界の注目株はコレ!
イチゴ味、メロン味、レモン味、ブルーハワイ味などの往年のシロップに加え、宇治金時や白くまも夏に食べたくなる定番メニューです。
そんな日本のかき氷の中でも、とくに注目したいのが「焼き氷」。その名の通り、焼いて食べるかき氷です。
もともと20世紀初頭に食べられていたものだったのですが、2012年に連続テレビ小説に取り上げられて以降、大阪のお店でアレンジされて復活を遂げ、じわじわと人気を集めています。
アイスクリームがのったコップにお酒をかけて着火し、アイスクリームがとろっと溶けたところで、そのアイスクリームとコップに入ったかき氷をいっしょにいただく一品。かき氷に染みたカラメルソースが絶品だそう!
おしゃれな店内で食べる自家製シロップのかき氷や、老舗和菓子店で食べる伝統的な和のかき氷など、素材や作り方にこだわったかき氷はいろいろあります。
まだまだ暑い日が続く夏の日に、いつもとは少し違うかき氷を楽しんでみてはいかがでしょう。
参考:「大阪純氷」(リンク先参照)