木の実を埋めてエゾリスが冬支度。雪の上から埋めた場所をピタリと掘りあてる特殊能力!!
木の実ゲット!! 食べる? 埋める?
エゾリスは冬眠しない。晩秋は冬に備えて木の実をせっせと地面に埋める。
耳がピン!! シッポがフッサフサ!!
普段は木の上で生活しますが、秋も終わりを迎えるころになると、地上に下りて、木の実を探し回ります。エゾシマリスと違い冬眠しないので、冬に備えて食糧を集めているのです。
大好物のクルミを見つけると、器用に外側の殻を剥き、食べないでそのまま地面に埋めます。クルミを見つけては、次々と殻を剥いて、どんどん埋めて、落ち葉をかぶせていきます。
〈参考:NHK for School 「エゾリスの冬越し」〉
雪の上から、埋めた木の実の位置がピタリとわかる特殊能力!!
木の実、掘ったぞ~っ!!
雪を掘るときは、木の実が出てくるまでその辺を適当に掘り続けるのではなく、雪の上から埋めた場所をピタリと察知し、ピンポイントで掘るのです。しかも、雪の深さが50cm以上になっても、迷うことがありません。何を手がかりにして木の実が埋まっている位置を知るのかは、はっきりとはわかりませんが、それはまるで“特殊能力”があるかのような行動です
冬も元気いっぱい、森の元気くん!!
雪の上でも元気いっぱい!!
活動時間はもちろん、エサを食べる時間でもあります。食べるものは、地面に埋めた木の実のほか、コケやキノコ、冬芽や樹皮など。さらには、葉を落としたカラマツのまつぼっくりの中にある小さな種子をちまちま食べることもあります。
冬の森は葉を落とした木が多いので、枝がスカスカです。そんな冬枯れの森は寒々しくて寂しい感じがしますが、裏を返せば、リスをはじめ、鳥や小動物の行動がよく見えるようになります。冬は自然の動物を見るには絶好のシチュエーションでもあるのです。たまに、葉を落としたカラマツを見上げると、茶色い毛のかたまりが枝にひっついているように見えることがありますが、よく見ると、それがエゾリスだったりします。葉があるときにはお目にかかることができない光景です。
北海道に生息する小動物のうち、冬眠しないで冬も活動するのは、エゾリスのほかに、エゾモモンガやエゾナキウサギなどがいます。どれもキュートでラブリー系。雪の上でもイキイキと動きまわっています。北海道では今、車のタイヤを冬仕様に変えたり、羽毛布団や冬靴を出したりして、これからやってくる冬に備えています。
そろそろ北海道に冬がやってきます。人もエゾリスも、冬支度をする季節となりました。