「エゾリス」 「エゾシマリス」 「エゾモモンガ」 「エゾナキウサギ」。冬眠をするのはどれでしょう?
正解は、背中にシマシマがあるボクです♪
正解は下の写真です。晩秋のこの時期は、冬眠のために巣にせっせと食料をためこんでいます。
冬眠するのは 「エゾシマリス」。木の実を巣穴に運んで、ただいま冬眠準備中 !!
ちょっと、ためこみすぎ? 顔の輪郭が…。
「エゾシマリス」は日本では北海道にだけ生息するシマリスで、本州以南でみられるのは「チョウセンシマリス」など、外来種のシマリスです。リスというと、写真のように、背中にシマシマがあるシマリスを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
「エゾシマリス」の体長は15cm、尻尾の長さは12cm、体重は100gほど。背中に5本の黒いシマシマがあります。主に地上で活動していて、地下に巣を作ります。
冬眠するのは10月から翌年の4月までの約200日間。彼らにとって今ごろは、木の実や昆虫を巣に運んだりするなど、冬眠の準備にとても忙しい時期です。
ただ、冬眠といっても、カエルやヘビのように仮死状態で眠るのではなく、時々目覚めては、巣穴の中にためた食料を食べては寝る、という生活をします。そろそろ雪の便りをきく北海道。もう冬眠生活をしている「エゾシマリス」もいるかもしれません。
耳とシッポが特徴的な 「エゾリス」。秋に埋めた木の実を雪の上から掘り当てる特殊能力 !!
ちわっ !! エゾリスです。
体長は25cm、シッポの長さは18cm、体重は400gと、エゾシマリスに比べると、かなり大きめです。シッポの毛は長さが5cmもあるので、シッポは極太。コップを洗うブラシのような形です。
毛の色は、夏は茶色っぽい灰色やこげ茶色で、冬になると灰褐色になります。これは保護色の役目がありますが、お腹の毛は1年を通して白い色をしています。「エゾリス」の保護色はとても優秀で、動いていないと気づかない場合もあるほどです。
「エゾリス」は木の上で生活します。巣も木の上に作ります。エゾシマリスのように冬眠しないので、秋になると、エサの少ない冬に備えて、木の実などを地面に埋め、落ち葉をかぶせます。やがて雪が降り積もり、埋めた場所などまったくわからない雪原となっても、ピタリと掘り当てる“特殊能力”の持ち主です。
つぶらな瞳で、かわいさ全開の 「エゾモモンガ」。枝から枝へ飛びます !!
ラブリ~★、モモちゃん。
鋭いツメで、垂直に近い幹を登ると、両手両足を広げて、枝から枝へとグライダーのように滑空します。お目当てはハンノキの花。ハンノキは冬に花が咲くので、「エゾモモンガ」にとっては貴重な食べ物です。
北大獣医学部の学生を描いた漫画「動物のお医者さん」で、「エゾモモンガ」のモモちゃんが真冬に、北大の雪の上の適当な場所で寝ていて、チョビに発見される、というシーンがありますが、実際は雪の上で熟睡などせず、キツツキの古い巣を利用するなどして、きちんと木の上で暮らしています。
山岳地帯にだけ生息する 「エゾナキウサギ」。小さい小さいウサギです。
ピィッピィッ鳴くよ、ナキウサギ。
体長は15cm、体重は120gほど。ウサギとしてはとても小さい種類です。毛の色は、夏は赤っぽい茶色、冬は暗い灰色がかった茶色です。冬眠はしませんが、夏から秋にかけて葉や茎などを干して“干し草”にし、岩の間にしまい込んで冬の保存食とします。
ナキウサギというくらいなので、もちろん鳴きますが、メスとオスでは鳴き方が違います。メスは「ピュー」、「ピィーッ」、「ピィッピィッピィッ」など、オスは「キィッ」などと鳴きます。
「エゾナキウサギ」は高山暮らし。リスのように、人間の生活圏に近いところに暮らしていないので、こちらから会いに行かなければ、なかなか出会う機会がありません。
北海道のラブリー系小動物たち。「エゾシマリス」はもう、冬眠生活に入ったでしょうか。これから北海道は極寒の冬へと向かいます。冬眠しない動物は雪の中でも生き生きと活動することでしょう。野性のエゾナキウサギにはなかなかお目にかかれませんが、ほかの3種類の小動物は、わりと出会う機会が多い北海道。人間も動物も、そろそろ冬支度を始めています。