サンマよ、どこへ…。海水温上昇で漁場が釧路のはるか東へ移動。高値が続く庶民の魚…。

ピカピカのサンマ。でも、今年は小ぶりで、しかも高値…。
海水温上昇で、漁場が釧路からはるか東の公海へ…。日本の近海から遠ざかるサンマ。
原因は、海水温の上昇。千島列島沿いを南下し、道東へ流れる親潮(寒流)が減少したことで、南から北上する暖流が、親潮にジャマされることなく流れこみ、道東沖に暖かい海水が停滞して、海水温が上昇しているとみられています。
そのため、サンマが好む水温(12~18℃)の海域が東へ移ったため、釧路沖ではサンマの不漁が続いていると考えられています。
〈参考:北海道新聞2015年10月11日朝刊1面 「道東沖 逃げるサンマ、水温上昇 漁場は公海、四島へ」〉
外国の大型漁船が公海にやってきて、成長前のサンマを獲ってしまう…。
一方、日本では、サンマが大きく成長して近海に来たところを、200トン未満の小型の漁船で獲っていますが、公海での外国船は、サンマが十分に大きくなる前に「先取り」してしまうので、日本近海にサンマがなかなかやって来ません。これもサンマの資源減少の原因になっているといわれています。
9月・10月の台風で、水揚げゼロの日も…。
記録的な不漁で、浜値は倍以上。サイズも小さく、脂のノリも今ひとつ…。
値段を見てみると、この時期の浜値は1キロあたり100円未満ですが、今年は200円以上になる日もあります。卸市場では例年4kg入りの箱に23尾を入れて出荷していましたが、サンマのサイズが小さいので25尾を入れますが、1箱の値段が倍近くになっています。さらに、サイズがあまりにも小さいので、4kgの箱では見栄えが悪いこともあり、2kg入りの箱に切りかえたところもあるそうです。
去年の12月17日に、海水温の上昇でホッケが獲れないことをお伝えしましたが(下記リンク先参照)、ホッケに続き、サンマもピンチになっています。庶民の味、ホッケやサンマが、近々、高級魚になってしまうのでしょうか。さらにサケについては、ロシアの排他的経済水域での流し網漁を2016年1月から禁止する法案が、ロシアで可決されたため、こちらも漁獲量が減少すると思われます。
北海道の魚といえば、サケ、サンマ、ホッケですが、来年以降、そのイメージが徐々に変わってしまうかもしれません…。
〈参考:北海道新聞2015年10月16日朝刊1面 「サンマ漁最低水準 量半減、浜値は倍」〉