北見発、旭川行き 「タマネギ列車」、今年も運行開始。来春4月まで野菜を運びます !!
最近まで、昭和の時代に造られたDD51形ディーゼル機関車が活躍していた。
貨物のほとんどが、北見特産のタマネギ。だから愛称が 「タマネギ列車」。
出荷にはJRの貨物列車が利用されます。貨物の中身のほとんどがタマネギで、ほかにジャガイモなどの農産物や畜産物などを運びます。8月のお盆のころから運行が始まり、年明けの4月までの季節限定。主にタマネギを運ぶ臨時貨物列車なので、「タマネギ列車」の愛称で親しまれています。今年は8月17日、今年度初の「タマネギ列車」が北見を出発しました。11両編成で、コンテナは55個。北見発、旭川行き。1日1往復。旭川に到着してからは、ほかの貨物列車やトラックに積み替えられて、札幌や函館、本州などへと出荷されます。
〈参考:北海道新聞8月18日号〉
DD51形ディーゼル機関車2両で、「プッシュプル」方式。先頭が引き、後方で押す。力を合わせてがんばる2両 !!
タマネギ列車が通る石北本線は、急勾配の峠があり、カーブがあり、秋は線路が落ち葉で滑りやすくなっているので、重たい貨車を引くにはかなりの馬力が必要です。しかも、途中の遠軽駅は車両の向きを変えるスイッチバックとなっているので、機関車を先頭から後方につけ替えなければなりません。
そこで採用されたのが、先頭と最後尾の両方に機関車を連結する「プッシュプル」方式です。これだと、2両を先頭に並べてつなげる方法に比べ、落ち葉で先頭の車輪が空回りしても後方から押すことができるだけでなく、スイッチバックでいちいち機関車をつえ替える必要がありません。このような、車両の前後に機関車が連結されている「プッシュプル」方式は全国でも珍しい姿です。
昭和のレトロな機関車が、先頭がプル、最後尾がプッシュして、タマネギがぎっしり詰まった重い貨車をがんばって牽引する姿は、鉄道ファンにはたまらない魅力で、DD51形が引くタマネギ列車は全国の“テツ”に大人気でした。
2014年からは、大型ディーゼル機関車の 「DF200形」 に。愛称は 「レッドベア」。
2013年から徐々にDF200形が活躍。吹雪の日でも力強く貨物を引っぱる。
北海道のように、電化されていない、しかも極寒の線路を走行するのを得意とする、力強いディーゼル機関車です。タマネギ列車を牽引するときはもちろん、「プッシュプル」方式。2013年のはじめから試行運転を開始し、4月27日のシーズン最終日には無事に、DF200形2両のプッシュプル方式で走行することができました。
この最終日、レトロなDD51形の勇姿を撮影しようとカメラを待ち構えていた鉄道ファンが、実際に走ってきたのがDF200形だったので、思わず苦笑してしまった…というエピソードもあるとか。
機関車の老朽化、採算が合わない…。タマネギ列車は存続の危機になったことも。
しかし、トラック輸送だけでは安定供給が確保できないという地元の強い要望もあり、DF200の試験走行を重ね、急勾配でも大型ディーゼル機関車で走行可能なことがわかりました。また、1日3往復だったのを1往復に減らし、現在に至っています。
全国でも珍しい「プッシュプル」方式で、険しい勾配のある峠をタマネギを積んで走るディーゼル機関車。11両編成と短いながらも、全国に北見特産のおいしいタマネギを届けるために、来年の4月まで2両のディーゼル機関車ががんばっています !!