北海道に初夏を告げる花 “ライラック”、別名は “リラ”。「ライラックまつり」 は20日から !!
さまざまな色があるライラック。北海道民にとっては、とても身近な花。
「ライラック」= 「リラ」。北海道では5月中旬から見ごろをむかえる、市民の花。
寒さに強いので、日本では北海道で最も多く植えられています。一つ一つの花は直径1センチほど。それらが集まって、10~20センチの筒状の花序(かじょ)を作ります。それほど巨木にならないので、北海道では民家の庭によく植えられています。札幌では市の木に選ばれていて、市民に親しまれている身近な花です。
ライラックは5月中旬から見ごろをむかえます。この時期の北海道は、朝晩はまだ冷えこみますが、日中は20℃を超える日もあり、初夏のような日差しが感じられます。そんなころに花が咲くので、初夏を告げる花とも呼ばれています。
「ライラックまつり」 では苗木のプレゼントも。青空の下でのワインガーデンは大人気 !!
札幌市時計台にも、ライラックが咲き誇る。
会場は大きく分けて、大通(おおどおり)会場と川下(かわしも)会場の2ヵ所です。
【大通会場】(20日~31日)…大通公園西5~7丁目
大通会場には約400本のライラックが咲いています。
・西5丁目…野点(のだて)、手作り品マーケット、お宝鑑定、折り紙教室などが行われます。
・西6丁目…外国料理のフードコートや、喫茶コーナーがあります。音楽祭やコンサートが行われるほか、ライラックの苗木1500本がプレゼントされます。
・西7丁目…ワインガーデンがオープン!! 北海道産のワインと北海道の食を楽しむことができます。青空の下、昼間から外でワインが飲めるこの会場は、毎年、大好評です。
【川下会場】(30日・31日)…川下公園
ここでもライラックの苗木が先着200名にプレゼントされるほか、公園内のガイドツアー、コンサート、クラフト講習会などが行われます。広い敷地には売店が並び、飲食物やお土産品が販売されます。
「リラ冷え」 という美しき言葉は、北海道の俳人が生み出し、渡辺淳一が広めた
北海道では、ライラックが咲く5月中旬から6月にかけて、最高気温が25℃を超える真夏日があったかと思えば、思いがけず10℃を下回る寒い日もあります。その冷え込む気候を表現したのが「リラ冷え」です。
「リラ冷え」という言葉を生み出したのは、北海道の俳人、榛谷(はんがい)美枝子です。「リラ冷え」は1960年に彼女の句ではじめて使われ、その後、この時期を表す季語となりました。
リラ冷えや すぐに甘えて この仔犬
そして、「リラ冷え」という言葉を広めたのは、1年前に亡くなった北海道出身の作家、渡辺淳一です。1971年、彼は「リラ冷えの街」という小説を書き、そこからこの言葉が一気に広まったのです。5月中旬から6月にかけて、ライラックの咲くころ、思いもかけず気温がグンと低くなるときがあるという北海道の気候の感覚に、この「リラ冷え」という言葉がピッタリとマッチし、それ以来、北海道では当たり前のように使われるようになりました。
この時期、ライラックが民家の庭で美しく咲いているのは、北海道ならではの光景ではないでしょうか。
これから北海道では、スズラン、次いで、7月にはラベンダー、ジャガイモの花、8月にはハマナス…と、花の見ごろが続きます。まずは、道民に愛されている花、ライラックを見に、北海道に行ってみませんか。