イースター(復活祭)にちなんで、 古今東西の歴史を彩ったタマゴたちのお話をご紹介!
いろいろなバリエーションがあるオムレツ料理
色づけしたタマゴを飾ったり、タマゴ探しをする習慣は、日本でもおなじみになりましたね。
キリスト教が伝来する以前の「春の祭り」に由来すると言われるイースター。
冬の眠りから目覚め、再生に向かう春に、人々はタマゴに願いをこめたのでしょうか。
タマゴは昔から「不思議な生命力を持つもの」「神秘的なもの」として世界じゅうの人びとに大切にされてきました。
── 今回は、イースターにちなんで、古今東西の歴史を「彩った」タマゴの話をご紹介します!
この世は、タマゴから生まれた!?
タマゴに関する最古の文献は、古代アッシリアの粘土板に刻まれたもの。古代エジプト人もタマゴ好きで、ニワトリだけでなくガチョウやハトなど、色々な鳥のタマゴを食べていたそうです。
かのナポレオンも愛した、オムレツ料理
はちみつを包みこんだオムレツ料理や、カスタードのようなお菓子が提供されたと言われています。
中世になってもこれらの調理法は受け継がれ、ヨーロッパ各地でオムレツが郷土料理になったのだそうです。
オムレツに関する逸話が残っているのは、ナポレオン・ボナパルト。
ある時、オムレツ作りに失敗し「私は自分の才能を過大評価していた」と嘆いたと言われています。
安くておいしいタマゴは、いつだって庶民の味方
似た理由でタマゴが脚光を浴びたのは、世界恐慌下のアメリカ。安価で栄養があるとして、タマゴ料理が推奨されたのです。フランクリン・ルーズヴェルト大統領夫妻も、ホワイトハウスで午餐会を開き、タマゴ料理を食べるパフォーマンスを行ったのだとか。
ベーコンエッグにまつわる不思議なお話
ベーコンエッグには意外な「誕生秘話」が?
ベーコンをフライパンで焼いているところに、天井の梁にとまっていたニワトリがタマゴを産み落とした……というのです。
真偽のほどは「?」ですが、思わず情景を想像してしまいますね!
日本でも古くからタマゴが食べられていましたが、7世紀以降は仏教の影響で肉食、タマゴ食がすたれてしまいます。
しかし安土桃山時代以降、中国から「医食同源」の考え方が伝わり、タマゴの価値が知られるように。
さらに、カステラ、卵そうめん、ビスカウト(ビスケット)などの南蛮料理・菓子が伝来し、タマゴが再び食べられるようになりました。
ちなみに江戸時代になると、百花繚乱のタマゴ料理が登場します。そのお話は、また次の機会にご紹介させてくださいね。
参考:サカイ優佳子・田平恵美編「ポプラディア情報館 世界の料理」
農山漁村文化協会編「地域食材大百科」
ダイアン トゥープス(村上彩訳) 「タマゴの歴史」(原書房)