天気・天候・気候について古来伝承されてきた経験則「天気俚諺」を知っていますか?
スズメが朝早くからさえずる日は「晴れ」!なんです
天気にまつわる、このようなことわざは「天気俚諺(てんきりげん)」と呼ばれています。
気象学の見地からは説明のつかないものがほとんどですが、現代に生きる私たちにとって参考になるものが少なくありません。
アウトドアなど、天候が気になる時の豆知識として役立つかもしれませんよ。
スズメが朝早くからさえずる時は「晴れ」
雨が止むかどうかを判断するのにも、スズメの習性が役立つようです。雨が小降りに(または止みそうに)なると、スズメはいち早く行動を開始するからです。スズメのさえずりが聞こえたら、もうすぐ雨が止むと思ってよいでしょう。
●類似のことわざ
太鼓の音が遠くでも聞こえると「晴れ」
太鼓に使われている革は、湿度によって収縮します。晴れて乾燥すると革の張りがよくなり、音も冴えわたって遠くからでもよく聞こえるようになるといわれます。近所のお祭り、運動会の太鼓……、「そういえば」と思い当たる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
トンボが低く飛ぶ時は「雨」
●類似のことわざ
カモメが人里に飛んでくると「天気(海)が荒れる」
いつもは沖合いで小魚を狙っているカモメ。それが港の周辺や、時には人里に飛来してえさ探しをしているとなると、天気は下り坂。海が荒れる予兆であるとされています。
ごはん粒がお茶碗からきれいにとれると「雨」
●類似のことわざ
炭に火がつきやすいと「晴れ」
炭を使って煮炊きしていた時代のことわざです。着火しやすいのは、乾燥しているということ。逆に火がおこりにくければ、炭が湿気ている、つまり雨が近づいている証拠とされました。
●類似のことわざ
髪に櫛が通りにくいと「雨の予兆」
空気中の湿度が高くなると、髪の毛が水分を吸収してふくらみます。ふくらんだ髪はうねりを生じるため、櫛が通りにくくなるのです。「梅雨どきは髪型が決まらない」と悩む方が多いのも、髪が水分を多く含むのが理由です。
皆さんの身近な場所でも、きっと「なるほど」と思えることわざが言い伝えられているはず。これを機に、地元ならではのことわざを探してみてはいかがでしょうか? 生活がもっと豊かに、楽しくなるかもしれません!
●参考
青木孝『図解雑学 よくわかる気象のしくみ』(ナツメ社)
天達武史『知ってとくする天気のことわざ』(徳間書店)