ふたご座流星群2024 観測は14日(土)未明~明け方がベスト 安定感抜群の流星群をみてみよう
毎年のように多くの流星が出現するふたご座流星群。しぶんぎ座流星群・ペルセウス座流星群と並び、「三大流星群」の一角として知られています。
この記事では、2024年のふたご座流星群を満喫するために知っておきたいお役立ち情報を紹介します。見頃や1時間あたりの予想流星数、観測のポイントなどを解説しますので、ぜひ星空観察の参考にしてください。
ふたご座流星群2024の見頃はいつ?
今年の見頃は、以下の条件から「12月13日(金)夜~翌14日(土)明け方」となるでしょう。
■根拠①「極大」
今年の極大(天体活動のピーク)は、12月12日(木)~14日(土)頃です。中でも14日午前がピークとなる予想です。
■根拠②「月明かりの影響」
月明かりの影響はかなり大きいです。
12~14日夜にかけて、ほぼ満月の大きさの明るい月が一晩中闇夜を照らします。ただ、13日の月の入りは4時頃、14日の入りは5時頃のため、夜が深まるほど月の影響は小さくなります。
■根拠③「放射点」
ふたご座流星群の放射点が南中するのは、各日深夜1時頃の予想です。
夜が深まるほど、チャンスは高くなると予想されます。少し夜更かし(または早起き)して観測してみるのも良いでしょう。
また、1時間あたりに流れる流星数の予想は次のとおりです。
■1時間あたりの流星数(※空の暗い場所で観察した場合)
12月12日(木)~13日(金)夜:最大20個程度(13日3時~5時頃)
12月13日(金)~14日(土)夜:最大40個程度(14日3時~5時頃)
12月14日(土)~15日(日)夜:最大15個程度
ふたご座流星群の特徴・魅力は?
年によって流星の出現数が大きく異なる流星群もあるなか、毎年ほぼ安定して多くの流星が出現するのがふたご座流星群です。
■三大流星群の一角、ふたご座流星群
年間でも常に1・2を争う流星数を誇る流星群で、しぶんぎ座流星群・ペルセウス座流星群とあわせて「三大流星群」と呼ばれています。
ふたご座流星群の出現時期は、例年12月4日から17日ごろ。12月中旬に流星数が増加し、活動のピークとなる12月14日ごろの極大を過ぎた後は、流星数が急減する傾向にあります。
今年のふたご座流星群の予想流星数は、12月13日~14日夜(14日3時~5時頃)で、最大40個程度とみられます。1時間あたりに見られる流星数は1桁台という流星群も少なくないなか、観測条件によっては、1時間に数十個もの流星を見られる数少ないチャンスと言えるでしょう。
ふたご座流星群2024の見どころとおすすめの観測方法は?
各夜、夜が深まるほど流星観測の可能性が高まります。かなり遅い時間帯になりますが、1時間あたり10個以上の流星観測のチャンスはそう訪れないので、頑張って夜更かし(または早起き)する価値はあるでしょう。
■観測する方角
ひとつの方角に集中するのではなく、空を広く見渡しましょう。放射点を中心に四方八方へ放射状に飛び出すように流れて見える流星は、夜空のどこにでも出現します。一点ではなく空全体を眺めるほうが、より多くの流星を捉えやすくなります。
■観測する場所
観測に適しているのは、街明かりが少なく、空を広く見渡せる開放的な場所です。人工の明かりが多い場所では、明るさに邪魔をされて流星が見づらくなってしまいます。目が暗さに慣れるまでには時間がかかるため、最低でも15分間は観察を続けるようにしましょう。
■観測する方法
肉眼での観測が一番おすすめです。天体を拡大して見る望遠鏡は、流星のように広い範囲の現象の観測に適しているとはいえません。楽な姿勢で観測したいときは、背もたれの角度を調整できるイスや、上に寝転べるレジャーシートを用意するとよいでしょう。
真冬の天体観測になるので、防寒アイテムや暖かい飲み物なども準備しておくと安心です。
※1:流星群の流星が四方八方に流れるその中心となる点のことを「放射点」と呼びます。この放射点の高度が高くなるほど、流星の出現数が増えます。
今後の実態解明に期待!謎に包まれたふたご座流星群の基本情報をチェック
流星群の起源は「彗星活動によって放出されたダスト(ちり)」という説が一般的です。ふたご座流星群の母天体と考えられるフェートンは、過去に大量のダストを放出していたことが推定されています。
活動的小惑星に分類されているフェートンは「彗星と小惑星の中間的な特徴を持つ過渡的な天体」の可能性が高いといわれているものの、その起源や物質進化については解明されていません。
このように謎が残されているフェートンは、2025年に打ち上げ予定の『深宇宙探査技術実証機DESTINY+』によるフライバイ(※2)探査が計画されています。フライバイ探査では、詳細な地形の観測やフェートン近傍のダストの化学組織・質量などが調査される予定です。
探査によってフェートンの実態解明が進めば、フェートンとの関わりが深いふたご座流星群の起源も明らかになるかもしれませんね。
※2:探査機が惑星または惑星の衛星付近を通過することです。
三大流星群の一つ「ふたご座流星群」の観測で冬の夜空を満喫しよう
地域ごとの星空指数(その日の夜空が天体観測に適しているかを表す指数)も参考に、好条件のタイミングを狙って観測しましょう。
12月中旬の夜間ともなると、厳しい冷え込みが予想されます。防寒対策を万全にして、星空観察を楽しんでください。
参考:国立天文台、AstroArts、深宇宙探査技術実証機DESTINY+