山頂で初日の出を見よう!天気の注目ポイントは?PR
出発は暗闇の中 吐く息が白く
歩き始めるとすぐ、吐く息が白くなっていることに気が付きました。息が白くなるのは、呼気に含まれている水蒸気が急に冷やされて非常に細かい水滴になるためです。気温がおよそ10度以下の環境で口からの息が白くなり始めるとされていますが、鼻からの息が白くなるのはおよそ4度以下だといわれています。鼻からも白い息がもれるので、かなり冷え込んでいることがわかります。
それでも、登りの傾斜がきつくなると汗をかくようになります。登山中は、なるべく汗をかかないように行動するのが鉄則です。汗で衣服が濡れてしまうと、どんどん体温が奪われていくからです。歩くペースを調節して汗をかきすぎないように心がけることと、吸湿性の悪い衣服を着用しないことが重要です。
日の出を待つ時間がとにかく寒い
山頂でご来光を待つこの時間に、準備してきた防寒具が役立ちます。ダウンジャケットやネックウォーマー、手袋で体を保温しましょう。風が強いときはウィンドブレーカーも役立ちます。お湯を沸かして飲んだり、湯たんぽで体を温めたりすることも体を温める効果がありますが、筑波山のように炊事は禁止の場所も多いので注意が必要です。
肝心のご来光ですが、今回は残念ながら上空の低い層に雲が広がったため、わずかな光芒が見えたのみでした。なぜ雲が広がってしまったのかは、後の段落で詳しく考えることにします。
下山中にも様々な現象との出会いが
このように、山林は様々な気象現象の影響を受けています。注意深く観察しながら山に登ると、もっと多くのことに気が付くことができます。
曇った要因 晴れマークの「行間」を読んでみよう
つまり、関東の南の海は風が集まって雲が広がりやすい状態になることが事前に予測されていたのです。この雲が、上空の気圧の谷と対応するなどして陸地のほうにどこまで広がってくるかが関東地方の天気を大きく左右します。今回、筑波山は晴れの予報でしたが、資料を見ると微妙な判断のもとでの晴れマークだった可能性があります。マークだけを追いかけるのではなく天気図を見て天気マークの「行間」を探ってみると、面白い発見をすることがあります。
年末年始に山に入る方も多いと思います。この原稿を書いている時点で懸念しているのは、26日ごろに中部山岳の標高1500mから2000m付近でも雨や湿った雪となった後、元日ごろに強い寒気に伴う降雪が予想されていることです。性質の異なる雪が降り積もることで雪崩が発生しやすくなるかもしれません。とくに雪山に向かう方は、資料を使って天気を予想してみるとともに、雪崩の不安定性に関する情報を確認するようにしましょう。