入山前に天気の確認を!注目ポイントを解説PR
前回の記事では、事前に資料を読んで当日の天気をイメージするまでの流れを紹介しました。今回は、その解析結果を踏まえて、実際に登山をしながら、登山当日は天気のどのようなところに注目すれば良いのかご説明します。
入山前にリアルタイムの天気を確認
12日、お昼ごろにバスで上高地に降り立つと、澄んだ青空が広がっていました。有名な河童橋越しに見える吊尾根の景観が素晴らしく、翌日に向けてますます登山意欲が高まります。
最新のポイント予報をもう一度見ておきましょう。急に変わる場合も考えられます。また、直前になって雷が発生する可能性についても言及されているかもしれません。
・雨雲の動き
雨雲の動きは、周辺の雨をもたらしている雨雲を表示します。雨雲が移動している場合、こちらに近づくようならば、これから天気が崩れる可能性が高くなります。周辺にレーダーエコーがないか見ておきましょう。tenki.jp登山天気アプリでは、3時間後の予想まで見ることができます。
・雷危険度
雷危険度は、雷の激しさや発雷の可能性を表示します。秋も、大気の状態が不安定になると雷が発生する場合があります。落雷は登山者にとって大きなリスクになりえますので、雷ナウキャストは入山前に確認しておきましょう。tenki.jp登山天気アプリでは60分後の予想まで見ることができます。また、天気予報の予報文に記載される「雷を伴う」という文言も、発雷確率を探る材料になるので、注意深く確認しておくと良いでしょう。
・気象衛星
テレビの天気予報でよく目にする気象衛星の雲画像も、天気の傾向を把握するのに役立ちます。まとまった雲が近づいてくる場合は、天気が下り坂に向かう可能性が高いと考えられます。真っ白い雲がぽつぽつと湧きでている様子が見られたら、雨雲や雷雲が発生しやすい状態になっている可能性があります。このように、雲の様子からはいろいろな情報を得ることができます。
周囲に天気を崩す要因がないことを確認したら、いよいよ山道に入っていきます。上高地は深い谷の底にあるので見える空はそれほど広くはありません。それでも透き通った青い空を見れば、きょうが素晴らしい晴天だということが伝わってきます。
気象情報の確認は、電波が入りやすいエリアで済ませておきましょう。山道に一歩入れば電波の届かないところが多く、見たいときに情報が見られない事態も発生します。比較的人気の高い上高地エリアでも、河童橋周辺や明神、徳沢、横尾などの小屋周辺以外では、ネットになかなか繋がらないことが多いのです。
天気を五感で感じよう
このように、自然の様子から天気を予想することを観天望気といい、先人によって形づくられた経験則です。山の中では、観天望気が役立つ場面が多くあるので、知っておいて損はありません。ただ、判断が難しい場合が多いのも事実です。とにかくあたりの様子を注意深く観察し、電波の入る場所であれば、雨雲の動きや雷危険度をこまめに確認するのがおすすめです。
いよいよ登山スタート!
「なぜ?」「どうして?」を大切に
天気図と実際の天気がリンクしていることがはじめのうちはなかなか実感できないでしょう。それでも、天気を予想した上で山に登ることを何度か繰り返していくうちに、天気の傾向がつかめるようになるはずです。このとき、予想していた天気が、実際の天気と合っていたのかを必ず振り返りましょう。予想と合っていた点と、予想していなかった点があるかと思います。ここで、どうして予想が外れたかを考えてみることが天気を読む力を伸ばします。ぜひ、次の山行を計画される際はご自身で取り組んでみて、より深い天気の世界に触れてみてください。