いろいろな資料を見て山の天気を予想しよう!
せっかくの美しい光景です。どんよりとした空模様や、ガスにまかれた中で見るよりも、秋らしくどこまでも澄んだ青空の下で見たいものですね。狙って天気の良い日に登りに行くためには、やはりある程度は自分で天気を読む力が必要です。涸沢カールの紅葉を見に行くということを大きな目標に据えて、天気を予想する練習をしてみましょう。
山の天気を予想するために必要なもの
わざわざ日程を組んで心待ちにしている登山です。日々少しずつ変わる週間予報を見て、当日の天気が結局は好転したり、予報にない晴れ間が出たりすることを期待してしまうこともあるでしょう。また、晴れマークしかないからと雨が降る可能性を全く考えずに山に入ってしまう場合があるかもしれません。
私自身、日々の仕事で反省しきりなのですが、人間はどうしても「結局は思い通りの結末になる」といった都合のいい解釈をしがちです。特に、見る情報の量が少なければ少ないほど、一度こうだと決めた自分の考えにとりつかれてしまうように感じます。
天気の予想は地図読みと似ていて、条件がとても良い環境であれば、大抵の場合、非常に簡単な情報だけでも不都合は起こりません。しかし、本格的に山と向き合うほどに地形図を読むスキルが求められるように、天気の予想にもそれなりに考え方の根拠が必要になってきます。その根拠になるものが、天気図などのさまざまな資料から得られる情報です。登山を計画される方に確認してほしい情報をまとめましたので、ぜひ活用できるようになって欲しいと思います。
○1週間前に必要な情報
・週間予報
・週間天気図
先のことは予測するのが難しいため、これらの情報はざっくりとした傾向をつかむことが大きな目的です。
○2、3日前に必要な情報
・天気予報
・予想天気図(高層天気図も確認できると良い)
数日前の段階になると資料が増え、くわしく天気が確認できるようになります。登山の可否を検討して、もし登山に適さない天気なら、天気の良いほかの山域を選ぶなどんだり、日程を変更することを考えましょう。
○当日に必要な情報
・天気予報
・地上天気図
・雨雲レーダー・雷ナウキャスト
当日はリアルタイムの天気を確認しながら登山を楽しみましょう。事前に想像していた天気とあっていたか、それとも違っていたかを考えながら山に登ることが、天気を読む力を育てます。
週間天気図を使って週末の天気をチェック
ただ、週間予報の「確からしさ」は、きょう、あすの天気予報の「確からしさ」とはまったく違います。1週間ほど先の予報は更新されるごとに変わってしまう可能性もあるので、少なくとも1日に1度は確認するようにしましょう。
予定日が近づき、さらに多くの資料が見られるようになってからのステップは、次回紹介します。