楽しみ方は千差万様。小倉百人一首を正月前におさらいしよう
百人一首といえば、『小倉百人一首』。 「小倉」は何を意味するの?
常寂光寺
小倉とは京都大堰川の北側の山で、対岸は嵐山。平安時代に定家ら貴族が別荘を営み、『小倉百人一首』が編まれた場所です。小倉山の中腹の常寂光寺には、定家が歌を選んだといわれる山荘・時雨亭跡があります。
百首のうち、恋の歌はいくつ?季節感も程良いバランス構成
世界遺産「姫路城」内 百人一首に興じる千姫像
そして、恋の歌が43首と、圧倒的比率を占めます。なんともおおらかな時代ですね。四季のバランスも考慮されています。季節柄、冬の歌をいくつかおさらいしてみましょうか。
《 4番歌 》 田子の浦にうち出でて見れば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ 山部赤人
《 6番歌 》 かささぎの渡せる橋に置く霜の白きをみれば夜ぞ更けにける 中納言家持
《31番歌》 朝ぼらけ有明の月と見るまでに吉野の里に降れる白雪 坂上是則
寒さを愚痴るのではなく、冬の美しさ・優美さを表現する歌ごころは、見習いたいものですね。
かるた遊びから畳の上の格闘技まで。百人一首の楽しみかたいろいろ
そして、「畳の上の格闘技」といわれる「競技かるた」。競技かるたは漫画『ちはやふる』で一躍有名になり、海外にまでファン層を拡げました。仲間との友情や試合での感動が描かれている王道ストーリーで、歌の解説も、丁寧に盛り込まれています。
主人公は競技かるたと出逢った時、師から素晴らしい言葉を受け取ります。
「自分と係わりの深い歌はだれよりも早く取れるようになるんだよ」
「百人一首は全部で百首。百人友達ができたと思って仲良くなりなさい」
お正月のみならず、折々で百人一首と触れ合う機会も、日々編纂していきたいものです。