4月の第4日曜はサトウキビの日。サトウキビの歴史と黒糖の作り方
4月の第4日曜日はサトウキビの日。サトウキビの歴史から黒糖の作り方まで
ところで、4月の第4日曜日にちょっと変わった記念日があるのをご存じですか?実はこの日は、サトウキビの日なのです。1977年に沖縄県糖業振興協会によって制定されたもので、2018年は4月22日になります。この日は優れたサトウキビの生産者を選び、表彰するサトウキビ競作会も開かれます。今回はサトウキビについてご紹介します。
サトウキビとは
1万7千年も昔から栽培されていたサトウキビ
サトウキビ栽培の歴史は古く、パプアニューギニアでは、1万7千年前からすでにサトウキビが栽培されていました。現在では中南米、アジア、アフリカ、オセアニアなど、熱帯、亜熱帯の地域を中心に世界各国で栽培されています。
イネ科の多年草でその高さは3mにもなります。茎の汁に糖分が含まれていて、これを精製して砂糖を作ります。茎の皮をむいて汁を吸ったり、また絞った汁に果汁などを加えて飲み物として楽しんだりもします。
沖縄でサトウキビの栽培が始まったのは江戸時代から
中国から学んだ、砂糖の作り方
儀間真常はサトウキビのほか、サツマイモの栽培を沖縄各地に広めた人としても知られています。
サトウキビの汁だけから作る黒糖
製法は同じでも、作られる島によって味も食感も違う黒糖
黒糖というのは、サトウキビの汁を煮て濃縮して作るもので、加工はしません。サトウキビからできる黒糖も糖分以外にカリウム、カルシウム、鉄分などミネラルも豊富に含んでいます。
伊江島、粟国島、伊平屋島、多良間島、小浜島、与那国島、西表島、波照間島と、沖縄県の8つの島で生産されています。黒糖の製法には大きな差はないのに、その味や香り、色合い、そして食感まで、それぞれの島によって違いがあるそうです。
黒糖の作り方
煮つめて無駄なものを加えないのが、黒糖の作り方の基本
なお、サトウキビの汁から糖蜜を取り除き精製すると白い砂糖の原料になります。
甘いだけじゃない、サトウキビの利用方法
無駄なところがまるでないサトウキビ。アルコール燃料の原材料としても研究が進んでいます。
まず、サトウキビの葉は家畜の飼料となるほか、染め物にも使われます。
汁を絞った後の茎は、やはり飼料になるだけでなく、その繊維が紙や建材の材料に。また、表皮に含まれる成分は健康食品にも用いられています。
このほか、サトウキビはアルコール燃料などの原料としても利用されています。
── 甘いだけじゃなく、いろいろな用途に使えるサトウキビ。ちなみに、黒糖を作った後のサトウキビの茎は、ボイラーの燃料やサトウキビ畑の肥料として使われています。どこまでも無駄のない、すごい植物なのです。
参考HP:沖縄県黒砂糖共同組合・沖縄県黒砂糖工業会HP