確定申告の春。せっかくなので“変な税金”について調べてみた

古今東西、ちょっと変わった税金について調べてみました
確定申告を経た後、所得税をはじめ国民健康保険料、住民税などが決まるわけですが、私たちが生活するうえで欠かせない、さらには大切な義務と頭では理解していても、「どうしてこんなに(!)税金を納めなければならないの?」とつい考えてしまいますね……。
そこで今回は、そんな気持ちがパッと晴れそうな古今東西の一風変わった税金をまとめてみました。
「税金」納付は、勤労・教育と並んで憲法で定められた義務

国民の三大義務のひとつとして憲法で定められている「納税」
ここ最近、連日のようにテレビで様々な国会議員が登場し、国のお金をつかさどる省庁に関連した不祥事(疑惑?)が話題ですが、そんな報道を見るにつけ「何のために私は税金を払っているのだろう?」と思ってしまったり、税金の納付額を見て「私はまるで税金を払うために働いているみたい 」と落ち込んでしまうことも……。
とはいえ税金は、国を運営していくための基本となる大切なお金であり、そのほかにも私たちの生活に欠かせない、公共のサービスを提供するための大切な財源でもあります。
一方、税金には人々の意識や行動を一定の方向に向けさせる働きもあります。健康を増進させる目的の下、体に悪影響を与えそうなものには高い税金をかけたり……といった具合に、税金にはさまざまな役割があるのです。
ロシアの皇帝ピョートル大帝が考案した、髭の税金

髭に課税とは……。さすがピョートル大帝
ロシアでは古くから髭は大切なものとされていたため、他人の髭を抜いたら罰金という驚きの規則のほか、正教徒(ロシア正教の信者)は「髭を剃ってはいけない」という法令もあったとか。ですから、この「髭税」は人々に大きな困惑を招きました。
デンマークでは、肥満防止にバターやチーズに課税

バターに課税して肥満を防止。その結果は?
「飽和脂肪酸って何?」と思った方は、動物性の脂肪と考えるとわかりやすいかもしれません。脂質の中でも常温で固まる特徴があり、摂りすぎると中性脂肪、コレステロールを増やしてしまう恐れがあるもの。ちなみに、消費税25%に加えて上乗せされることから家計の負担も大きかったのでしょう。税法が施行されて約1年後の翌2012年に廃止されたそうです。
健康増進のため砂糖が入った炭酸飲料に課税

例えば2011年に、フランスではソーダ税と呼ばれる税金が承認されました。これは砂糖が入った炭酸飲料に税金を課すというものです。
同じくアメリカでもいくつかの市で、砂糖入りの飲料へ同じようなソーダ税が導入されています。このような動きはヨーロッパのほかの国にも広がっています。
日本にもあった、ソーダ税

日本にもあったソーダ税。その狙いは?
ちなみに、この清涼飲料税は健康増進とは関係なく、高級嗜好品にかかる税の部類でした。明治時代末ころから日本国内で炭酸飲料が量産されるようになり、高級品として販売されるようになったため。この法律は1949年に廃止されましたが、その後も手を変え品を変え、炭酸飲料にかかる税金は消費税導入までずっと続いていたようです。
ちなみに、縁日などで見かけるラムネは庶民向けの低価格商品だったため、清涼飲料税があった時代でも、税率はサイダーの半分程だったそう。
そして、庶民の楽しみである「たばこ」「ビール」への課税へのさらなる動きや、ここ数年で高い上昇率を示した「高速代金」、高止まりで依然として高い課税がなされている「ガソリン」、「春から多品目の食料品が値上げ!」など、税金に限らず、懐事情が乏しくなる様々な報道を昨今目にします。
そうした庶民の嘆きから(?)、税金には多数の格言があります。
そのほんの一部をご紹介しますが、みなさんはどの格言に共感しますか?
■「この世で避けて通れないものがある、それは、死と税金」
■「日本人は政府に税金を納めたら、政府が何に使おうと無関心である」
■「金持ちよりも庶民のほうからのほうが税金を取りやすい」
■「税金のルールを決めるのは、ほとんどがお金持ちの人」
■「とりやすいところから税金は課せられるので、その方向は弱者へ向かう」