お気に入りの服を長く愛したいから… ダーニング始めてみませんか?
そこで今回はヨーロッパの伝統的修繕技術「ダーニング」をご紹介します。難しい技術を使うことなく、穴の空いてしまった洋服などをお直しすることができます。
「ダーニング」でお気に入りの洋服を生まれ変わらせて、長くおしゃれを楽しみましょう。
ダーニングとは?
ダーニングの作業にはダーニングマッシュルームというキノコ型の道具を使用します。ほとんどが木製で、中には貝殻やガラスなどでできたものもあります。海外では、アンティークショップや蚤の市などでも売られており、その愛らしい姿から収集家もいるほど。100年以上前からの歴史がありますが、厳格な決まりはなく、自由にできることもダーニングの魅力です。
ダーニングマッシュルームがなくても!
いくつかダーニングマッシュルームの代わりに使えるものを挙げてみます。
☆電球
☆ガチャガチャなどのプラスチックカプセル
☆子安貝などの表面がつるっとした貝殻
☆ひょうたん
☆こけし
☆丸や卵型の木製の積み木やおもちゃ
☆車のヘッドライト
☆小玉スイカ
☆ピーナッツかぼちゃ
この他にも使えるものがたくさんあるかもしれません。ぜひ、家の中を見回してみてくださいね。
基本のダーニング <前編>
☆糸(毛糸)
ダーニングをする生地の糸の太さに合わせて選びます。刺繍糸などは太さに合わせて本数を調整しやすく、また色も豊富なのでおすすめです。
☆ゴム
生地とダーニングマッシュルームを固定するのに使います。
☆ハサミ
☆スチームアイロン
修繕が終わった際に、生地を整えて仕上げをします。
☆針
一般的な縫い針や刺繍針のような先の尖った針は、生地の糸を割ってしまうので避けましょう。とじ針やクロスステッチ針、コットンダイナーズのような先の丸い針を使うのがおすすめです。
それでは実際にダーニングしてみましょう
1. 生地の裏から修繕箇所にダーニングマッシュルームを当てます。この時、修繕箇所がダーニングマッシュルームの中央に来るようにしましょう。生地がピンと張るように広げ、ゴムで固定します。できるだけ布地の縦糸と横糸が歪まないように固定すると仕上がりがキレイになります。
2. 糸は腕の長さくらいで切り、針に糸を通します。
3. 修繕箇所の外側およそ5mmくらいの場所を刺していきます。ダーニングの形は様々ですが、慣れるまでは四角形を目標に刺していくとやりやすく、おすすめです。
4. 右上角を右から左に生地を小さくすくって修繕箇所の下辺へ向かって糸を引きます。糸端は10cmほど残しておきます。
5. 左下角も右から左に小さく生地をすくいます。この時に、渡した糸がまっすぐ垂直になっているようにしましょう。
6. 上辺に戻って、糸1本分を空け、右から左へ再び小さくすくって刺します。
7. 繰り返し、縦糸を張って修繕箇所を覆います。糸端は切らずにそのままにしておきます。
基本のダーニング <後編>
涙型でダーニング。遠目からだとほとんど分かりません。
2. 右から左へと糸を渡せるように、ダーニングマッシュルームを180度回転させます。縦糸のすぐ横を上から下に小さくすくって刺し、織物のように、前段と逆の糸の間を渡していきます。
3. 針で横糸を下に詰めたり、目を整えたりしながら最後まで横糸を渡します。糸端は残しておきます。
4. ゴムを取り、ダーニングマッシュルームから生地を外します。
5. 糸端をそれぞれ裏に出します。生地を裏に返して、小さくすくったステッチを2〜3目拾って糸をくぐらせます。
6. 拾ったステッチの糸を割るように2目ほど戻り、キワで糸を切ります。
7. 全ての糸端を処理したら、生地の上から、アイロンを浮かせてスチームを当てて整えたら完成になります。