「国民総幸福量」に見る幸せとは?12月17日は、ブータンの建国記念日です

今回は、国の発展を図る指針として世界ではじめて「国内総生産(GDP:Gross Domestic Product)」ではなく「国民総幸福量(GNH:Gross National Happiness)」を取り入れた国、ブータンについてご紹介します。
仏教の教えに基づく「幸せの国」にして立憲君主国

チベット文化の影響が強く、国民の多くが仏教徒です。自国の文化を守るために1971年まで鎖国を続け、仏教の教えにならうことで幸せを追求する国家を築いていました。国連加盟後は、2008年に立憲君主国に移行、新憲法を交付し、国家の近代化をはかります。一方で、1972年より政策の中心としていた「国民総幸福量の増加」は継続。さらにシステム化して、現在まで国の発展をはかる指針としているのです。
国民総幸福量を定義する「4つの柱」と「9つの分野」

国民総幸福量は、伝統的な社会・文化や民意、環境にも配慮した「国民の幸福」の実現を目指しています。その背景には仏教的価値観があり、「公正で公平な社会経済の発達」「文化的、精神的な遺産の保存、促進」「環境保護」「しっかりとした統治」 といった4つの柱のもと、9つの分野が示され、さらにより具体的な33の指標が策定されています。
達成度の調査方法は、2年ごとに実施される聞き取り調査です。国民の1%にあたる約8000人が選定され、国民総幸福量を定義する「4つの柱」「9つの分野」にしたがって調査が行われ、数値化されます。一人当たりにかかる面接などの時間は合計すると5時間にも及ぶそうです。
【4つの柱】
「公正で公平な社会経済の発達」「文化的、精神的な遺産の保存、促進」「環境保護」「しっかりとした統治」
【9つの分野】
「精神的な幸せ」「健康」「時間の使い方」「教育」「文化の多様性」「統治の質」「地域コミュニティの活力」「環境の多様性」「生活水準」
私たちの暮らしにも応用できる!?

一方で、グローバル化のなかにあってこそ「国民総幸福量」の考え方が、ブータンの人々の暮らしを支えることになるのかもしれません。4つの柱と9つの分野を共通の認識として持つことは、過度なグローバル化に歯止めをかけ、自国の文化の価値を再発見する役割を担うように思えるのです。主観的な人々の幸せを起点としている国民総幸福量の考え方は、企業や自治体、個人といったさまざまな局面でも応用できそうです。
参考サイト
ブータン政府観光局
外務省
毎日新聞
時事通信社
日経リサーチ