11月30日は『絵本の日』。意外と知らない絵本の歴史
今回は、そんな絵本の歴史についてご紹介します。
子ども向け絵本のはじまりは教科書?
日本でも、同じくらいの時期に『訓蒙図彙(きんもうずい)』という絵入りの百科事典がつくられましたが、「子どものために」とはっきり意識つくられたものではありませんでした。
子ども向けのものに限定せずに絵本の歴史を遡ってみると、日本には『奈良絵本』というものがあります。奈良絵本は、室町時代後期から江戸時代前期頃までにつくられていた絵入りの写本です。内容は浦島太郎や一寸法師など、現代の子ども向け絵本にもよく見る内容です。また内容だけではなく、判型や文章と絵の配置など、現代の絵本と通じるものが多くあります。
しかし、この奈良絵本は富裕層を対象としてつくられていました。なかには金泥銀泥を使った豪華なものまであるとのこと。今となっては気軽に読める絵本ですが、昔はお金持ちの特権だったんですね。
ドキドキ!ワクワク!『しかけ絵本』の歴史
最初のしかけ絵本は楽しむことを目的としてつくられたものではなく、星の動きや人体の仕組みなどをわかりやすく表すためにつくられました。有名なもので、マシュー・パリがつくった「円盤しかけ」があります。円盤をくるくると回すことで、星の動きを視覚的に表せるようになっています。
今も絵本売り場に行けば、知育用のしかけ絵本をたくさん目にします。絵本に仕掛けを施して理解を促すということは、こんなにも昔からされていたことだったんですね。
絵本の日の今日、お気に入りの絵本を探しに出かけてみるのもいいかもしれませんね。
<参考・参照>
日本における子どもの絵本の歴史 : 千年にわたる日本の絵本の歴史 絵巻物から現代の絵本まで その1.平安時代から江戸時代まで:https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/26550/mp_44-081.pdf
国立国会図書館, コメニウス『世界図絵』:https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/post-237.php
福岡市南区大橋の絵本と図鑑の親子ライブラリー:http://bibliokids.jp/days/