札幌や太平洋側では、雪不足で影響が広がってきています。
帯広市では、51年ぶりに積雪がゼロになり農作物やイベントなどへの影響が心配されています。
雪がほぼない帯広市。
平年だと42センチの積雪が、ゼロに。
この時期としては、51年ぶりの異常事態です。
帯広市内の畑は、雪がほとんどなく、土が露出しています。
雪がない事で、農業関係者には、不安が広がっています。
「小麦を作っている所は黒くなっている」(小麦農家 梶川将晴さん)
「これが秋にでた芽ですか?」(記者)
「そうです」(梶川さん)
帯広市の梶川さんは秋に種をまき夏に収穫する「秋まき小麦」を育てています。
この農場は、市内でも雪が多い場所といいますが2025年は、秋まき小麦には、雪がすくなすぎるのです。
秋まき小麦は、芽がでた後に、雪が積もり雪が布団のような役割をするため、冬も凍らず越冬できるのです。
雪がないと、凍ってしまいます。
「冬枯れの防除をしているのでいくらかは大丈夫と思うけれど、春先の生育が順調には立ち上がらないのではと心配している」(梶川さん)
また、雪がないと、畑の土も深くまで凍ってしまいます。
十勝の特産でもある「十勝川西長いも」。
いまは、秋に収穫した物を選別して出荷しています。
いま、畑では、春に収穫するナガイモが育てられていますが、土が深さ35センチ程まで凍っているため、凍結の被害が出ていないか懸念されています。
さらに…
「スニーカーが履けることしの十勝の冬ですが、イベントにも影響が出ています」(沼田 海征記者)
十勝川温泉の公園では、1月25日土曜日から開催される「彩凛華」の準備が進んでいますが、こちらも全く雪がありません。
例年、雪原の上でオブジェを使い、光と音のショーで魅了するイベントで、近年は外国人観光客に人気のイベントとなっています。
「雪が無くても開けるのがこのイベントの強み。海外の方、特にアジアから来る方は北海道の雪を楽しみに来ていると思うので、雪がないと少し寂しいところがあるかなと」(白鳥まつり実行委員会)
雪がないためオブジェの配線を踏んでしまう可能性があり、2025年は近づいての鑑賞はできませんが、展望エリアから楽しめるということです。
一方、雪不足や暖冬の影響は札幌でも。
「こちらのスキー場では、スキー客が続々とリフトで上っていきますが、奥のリフトは動いていません」(福岡百記者)
1月23日の札幌は、最高気温が4℃と3月中旬並みで、5日連続でプラスになっています。
藻岩山スキー場では、スキー学習の小学生などでにぎわいをみせていますが、ゲレンデのコンディションが悪化し、一部のコースを閉鎖しています。
「シャバシャバで土まで見えちゃっているスキーはもうちょっと寒くてもいい」(スキー客)
「札幌は(雪が)少なすぎるね。雪がなくて喜んでいる人と雪がない人と困る人と色々いるけど、しょうがないね」(スキー客)
札幌の積雪は、平年の半分以下の24センチ。
雪が降らないため、スキー場では、雪を移動させるなどの作業をしています。
近くのばんけいスキー場も19あるコースのうち、7コースのみが滑れる状況です。
空からみても、ゲレンデの一部で地面が見えてしまっています。
そんな中でも、多くの人に滑りを楽しんでほしいと、コース外や駐車場などのきれいな雪をコースに運び、スタッフが雪を広げる作業をしています。
この雪入れ作業は、朝から一日続くという事です。
一方、市内のホームセンターへ行ってみると駐車場には大きな水たまりが…
「雪かき」ではなく「水かき」に追われていました。
「廣地さん、この時期にこういう作業はする?」(糸口真子フィールドキャスター)
「しません!」(ジョイフルエーケー屯田店 廣地和弘さん)
「例年だと何月くらいに?」(糸口フィールドキャスター)
「3月ですね。これだとお客様もご不便なので地道にやるしかない」(廣地さん)
雪不足の影響で除雪用品の売れ行きは鈍く、ダンプは、前年の2割しか売れていません。
「年明けから1月22日までの売り上げでいくと、前年比で約25~26%までの落ち込みになっています」(廣地さん)
逆に、いま売れ行きがいいのが、つるはしなど氷割りのグッズです。
例年は3月に売れる商品ですが、2025年はこの時期に売れ始めています。
「ラクラクハンドボーといって、こういった形で衝撃で氷を割るグッズ。氷割りグッズ全般で2025年の170%くらいの売り上げ。この時期に氷割グッズがここまで売れるというのは記憶にない」(廣地さん)