
5年前の7月豪雨で被災し、いまもなお一部区間で運休が続く、JR肥薩線についてです。
熊本県とJR九州は31日、八代‐人吉駅間を鉄道で復旧することで『最終合意』しました。
1日、JR九州の古宮 社長は県庁を訪れ、木村 知事と合意書を交わし、2033年度の運行再開を目指します。
『最終合意』から一夜明けた1日、熊本県庁には木村 知事と一緒にJR九州の古宮 洋二 社長の姿がありました。
【木村 知事】
「鉄路での復旧の合意にたどり着いたことを本当にうれしく思う。しかしながら、これはスタート。これから肥薩線を『リボーン』新たに生まれ変わらせる壮大な壮大な物語の始まり」
2020年の7月豪雨で線路や橋が流されるなど甚大な被害を受けたJR肥薩線は、八代駅と鹿児島・吉松駅の間で現在も運休が続いています。
国と熊本県、JR九州の3者は検討会議を設置し、八代から人吉までのいわゆる『川線』の鉄道での復旧について協議を重ねてきました。
31日非公開で行われた検討会議で、熊本県が15ある駅のうち、『瀬戸石』『海路』『那良口』の3駅を廃止する案を提示。
これに対し、JR九州が駅の廃止案と県の『復興アクションプラン』について受け入れる姿勢を示し、両者の間で鉄道での復旧について『最終合意』したということです。
これを受け、1日午後、県庁では木村 知事と古宮 社長が最終合意書を取り交わしました。
【JR九州 古宮 洋二 社長】
「(肥薩線は)いい景色のところ。その景色を失うことなくもっといい肥薩線に復活させて持続可能な肥薩線にするために今後とも地元の人々と尽力したい」
【木村 知事】
「鉄路での再開がセットになることでまちづくりとも絡めた話を地元が真剣に考えられる状況になったので、非常にいいスタートラインに立てた」
木村 知事と古宮 社長は会談の中で、去年4月に現役を引退した観光列車『SL人吉』に触れ、『復興アクションプラン』が示す、新しい観光列車の導入にも意欲を示しました。
県の『復興アクションプラン』では、今回、最終合意した八代ー人吉駅間について2033年度中の運行再開を目指すとしています。
一方で、見通しが立っていない人吉駅と鹿児島・吉松駅の間のいわゆる『山線』について、木村 知事は協議開始に向けて、鹿児島県と宮崎県の両知事へ働きかけたい意向を示しました。