“今季最強”寒波が西から列島を覆い始めている。ピークは9日(木)10日(金)となりそうだ。
西日本で1月過去トップ3に入るぐらいの寒気の強さ、すでに大雪となっている北陸などでさらに2m近い降雪、東京都心も氷点下の可能性など、今回も大変な雪と冷え込みになりそうだが、いつまでも続きそうなこの「平年より寒い冬」も“出口”が少しだけ見えてきたようだ。
西から“雪エリア”拡大中
西日本はすでに寒気に覆われていて、7日(火)は大分、高松、徳島、神戸で初雪となった。
8日(水)以降は、降れば平地でも雪となるレベルの寒気が北海道から九州をすっぽりと覆う。
寒気のピークとなるのは9日(木)と10日(金)。特に日本海側では豪雪となり、72時間の予想降雪量が100cmを超える地点も多い。
岐阜の山地では、2m近い雪が降るところもありそうだ。
青森市など、すでに平年の3倍超えの積雪となっているところでも、さらに40~80cmの雪が予想されている。
日本海側を中心に風も強まるため、猛吹雪にも警戒が必要だ。
太平洋側も雪にご注意を…東京都心も氷点下に?
9日(木)10日(金)は、雪雲が太平洋側にも流れ込む見込み。
東海、近畿、四国、九州などの普段雪の降らない地域でも雪となりそうだ。
名古屋などで最低気温が0℃を下回る「冬日」の予想となっていて、路面凍結などに注意が必要だ。
900地点あまりある全国アメダスの内、今シーズン最も「冬日」地点が多かったのは5日(日)の695地点だった。9日(木)は700地点超、10日(金)は800地点近くの予想となっていて、列島が“今シーズン一番冷え込む日”となりそうだ。
また、東京都心も今週後半に最低気温が0℃まで下がる予想だ。予想には幅があるため、氷点下となるかもしれない。朝は氷が張るほどの冷え込みとなる。風邪をひかないようしっかり防寒してほしい。
“極寒”の冬… 出口が見えた?
平年より寒い日が続いているこの冬。
最新の長期予想によると、1月前半は寒気が南下しやすく全国的に例年よりも寒い状況が続く。だが後半は、北日本や東日本で気温が平年より高くなる予想が出た。
また、2月の予想は全国的に「ほぼ平年並み」。もともと寒い時期ではあるが、平年並みであるなら、移動する低気圧によって寒さの和らぐ南風が吹くタイミングがありそうだ。
そして3月は、全国的に平年より気温が高い予想で、ここで一気に春めきそう。
平年より気温が低い“底冷え”を我慢するのも、あと2~3週間ぐらいといえそうだ。
ただ、以降も一時的に強い寒気が南下することもあるので、受験シーズンのこの時期は、最新の気象情報や交通情報をこまめに確認してほしい。
「ヘビ年は大雪」という過去のデータも
2025年は「ヘビ年」。もちろん偶然なのだが、60年前までさかのぼると過去ヘビ年は5回あったが、日本気象協会の調べによるとうち4回、偏西風が日本付近で「蛇行」して寒気が南下し大雪となったというデータがある。
(1)60年前、1965年(昭和40年)1月6日、東京都心で5cmの積雪。
(2)「昭和52年豪雪」となった1977年、1月~2月にかけ全国で歴史的大雪に。
(3)2001年(平成13年)1月27日、東京23区に大雪警報。東京都心で8cmの積雪。
(4)2013年(平成25年)1月14日、横浜で13cm、東京で8cmの積雪、成人式があった関東など東日本で大雪に。
2025年の成人の日は13日(月)だが、12日(日)13日(月)は南岸低気圧により関東など太平洋側で雪が降る予想もある。ヘビ年なので大雪に注意、というわけではないが、今後の情報に留意してほしい。
(執筆:川原浩揮/協力:日本気象協会・福冨里香)