経験にない記録的「高潮」 台風10号が引き起こす災害に厳重警戒を
高潮発生のメカニズム
①:「吸い上げ効果」
台風の日本列島への最接近時で915hPaと近年でも稀に見る気圧低下が予想されます。理論上、気圧が1hPa下がると1センチ潮位が上昇します。仮に地上気圧が1000hPaとすると最接近時で中心に近い所では85センチ潮位が高くなるということです。
②:「吹き寄せ効果」
台風に伴う風が沖から海岸に向かって吹くと海水は海岸に吹き寄せられ、海岸付近の海面が上昇します。風が強く吹けばそれだけ、吹き寄せ効果が強化され、海面がより上昇します。
③:「大潮」「中潮」
今月2日の満月を中心に満潮と干潮の差が大きくなった状態で、きのうまで「大潮」、きょうは「中潮」と潮位の高い状態にあります。また、夏から秋にかけて海水温が高いなどの影響で、平常より潮位が年間でも高い時期ですので、これらの要因が重なり、満潮時を中心に潮位が高くなります。
満潮時刻(沖縄・奄美)

予想される最高潮位と高潮に注意が必要な時間は、沖縄本島地方では1.5メートルで、それぞれ「5日夜のはじめ頃から5日夜遅く」と「6日朝から6日昼前」。大東島地方では「5日夜のはじめ頃から5日夜遅く」と「6日朝から6日昼前」に2.3メートル、「6日夜のはじめ頃から6日夜遅く」に1.5メートルです。
今回は、様々な要因が重なり、記録的な高潮の可能性が高くなっています。海岸や河口付近にお住まいの方は厳重に警戒してください。