梅雨は大雨? 夏は猛暑? どうなる「ラニーニャ現象」続く夏 過去は高温や豪雨も
ラニーニャ現象 夏にかけて続く可能性が高い
ラニーニャ現象とは
太平洋赤道域では、貿易風と呼ばれる東風が吹いているため、通常、暖かい海水は西側のインドネシア付近に吹き寄せられる一方、東側の南米沖では、海の深い所から冷たい海水がわき上がっています。ただ、何らかの原因で東風が強まると、西側の暖かい海水が厚く蓄積するとともに、東側にわき上がる冷たい海水の勢いが強まり、南米沖の海面水温が通常より低くなるのです。
日本への影響は?
「ラニーニャ現象」発生時の日本は、左上の図のように梅雨は西日本太平洋側で雨量が多い傾向です。また、夏(6月~8月)全体では沖縄・奄美で雨量が多くなる傾向にあります。
夏の平均気温は、統計的に有意な傾向はないものの、右上のグラフのように北日本や東日本、西日本では平年より低くなることは少なく、平年並みか高いことが多くなっているのが分かります。
※北日本(北海道・東北)・東日本(北陸・関東・東海)・西日本(近畿~九州)
過去のラニーニャ現象の夏はどうだった?
①2020年夏は、全国的に高温・多雨でした。「令和 2 年 7 月豪雨」など7月は東・西日本で記録的な大雨と日照不足となりました。 また、8月17日は静岡県浜松市で41.1℃を観測し、国内最高気温記録(1位タイ)となりました。
②2010年夏は、全国的に気温が高く、長期間にわたる気温観測データが存在し、都市化の影響の少ない17地点の気象台などで平均した日本の夏の平均気温は、1898年以降の113年間で第1位の高い記録となりました。
③2007年夏は、7月は北・東・西日本で低温となったものの、6月は北日本、8月は東・西日本で顕著な高温となったため、夏の平均気温では全国で高温となりました。8月16日に埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で、当時の国内最高気温の記録を更新する40.9℃が観測されました。(現在は6位の記録)
今年の夏は?
気象庁発表の3か月予報や暖候期予報によりますと、平均気温は平年並みか高い予想で、暑い夏が予想されます。
ただし、3か月予報や暖候期予報の発表時、夏はラニーニャ現象は終息し、平常の状態である可能性が高いとされていましたが、最新の「エルニーニョ監視速報」では夏もラニーニャ現象が続く可能性が高くなり、さらに大雨や猛暑に注意が必要な状況になる可能性があります。