北陸 3か月予報 季節の歩みは概ね順調 降水量はほぼ平年並でも短時間強雨には注意
最新の3か月予報
富山や金沢では、今季既に最高気温が20度以上を観測した日がそれぞれ2日ずつありました。新潟や福井でも、19度を超える日が複数日あるなど、4地点とも2月中旬にして既に初夏の陽気に近づくような季節外れの暖かい日がありました。
早い年では3月下旬になると、最高気温が25度以上の夏日となる日が現れてきます。昨春の桜の開花は、新潟は3月27日、富山は同月22日で1953年からの統計史上最も早く、金沢は同月の23日、福井は同月22日でともに過去最も早い記録に並ぶ日に観測されました。桜の開花日は年々早まる傾向にあり、桜の開花に最も大きく影響を与えるとされるこの時期の気温の動向が今後も注目されます。
降水量に関しては、期間を通してほぼ平年並みとされています。ただ、気温に加えて、海水温も平年より高く長期的な上昇傾向が続いています。気温や海水温が上昇すると、大気に含まれる水蒸気の最大量が増加して、強い雨の頻度も増えやすくなっていくということです。金沢の5月の1か月間の平年降水量は138.0mmです。これを1か月31日間で単純に日割りをすれば1日当たりでは4.5mm程度の降水となります。ただ、現実には毎日4.5mmの降水が31日間続いて、1か月で平年並みということにはなり得ません。昨春の5月も、日降水量は7日には102.0mm、29日には70.0mmを観測し大雨となった日がありました。ですから、降水量はほぼ平年並みでも安心はしないようにお願いします。
春は強風の時期
対象の年は、北陸地方への台風の接近(台風の中心が新潟、富山、石川、福井のいずれかの気象官署等から300km以内に入った場合)が1年を通してゼロとなった2020年の事例です。
その結果、4県の合計では3月が最も多く136回となりました。以下多い順に2月、4月となり、この時期は平均的に風が強く吹いていることがお分かり頂けるでしょう。
春は黄砂が飛来しやすい時期
黄砂の飛来が予想される場合には、ほとんどの場合、事前に気象情報などで注意喚起がなされます。外出の際は、マスクを着用するなどして、吸い込まないようにしっかり対策をしましょう。
気温(寒暖)差・乾燥(火災)・花粉(スギなど)にも注意
北陸4市の「日最小相対湿度」の観測史上最も低いランキングをみると、福井・金沢・富山・新潟の4市全てで、トップ10は3月~5月の春の期間に観測されています。中でも、福井はトップ10全ての湿度が10%未満となった他、金沢は2005年4月6日に日最小相対湿度が4%という記録を観測しています。この時期は、暖房の使用頻度は徐々に減っていきますが、空気の乾燥や強風が火災発生件数を多くする一因になっていると考えられ、火の取り扱いには最も注意が必要な時期と言えそうです。
最後に、花粉が飛びやすい条件は「晴れて気温が高い日」「空気が乾燥して風が強い日」「雨上がりの翌日や気温の高い日が2~3日続いた後」等とされています。このような天気が予想される場合には、「マスクやめがね等を着用する」「屋外作業をした場合には、衣服に付着した花粉を払い落とす」「ふとんや洗濯物の外干しをする際は、室内に花粉を持ち込むことになりますので極力避けるようにする」等の対策をしっかりしていきましょう。