台風10号 28日午後~29日朝に北陸最接近か 南寄りの暴風に警戒
北陸地方は台風の進行方向の右側に入る所が多い 南寄りの暴風に警戒
北陸地方への最接近は28日午後~29日(木)朝となるでしょう。北陸地方に最接近する段階でも暴風域を伴っている可能性が高くなっています。
また、予報円の中心を通った場合、北陸地方は台風の進行方向の右側となります。このため、南寄りの暴風に警戒が必要です。なお、海外モデルでは若狭湾付近から福井県嶺北~石川県の沿岸を北上すると予想するものもあります。台風が北陸地方を通過した場合は2022年の台風14号以来約2年ぶりとなります。
福井・石川では、台風接近前の27日から高潮に警戒が必要です。28日~29日は各地で警報級の暴風や高波・高潮のおそれがあります。また、28日は台風本体の発達した雨雲がかかるため、警報級の大雨となるおそれがあります。
過去の類似台風 2018年台風21号 記録的な暴風 果実の落果の被害大
この台風は、特に関西方面の被害が甚大で、暴風でタンカーが関空の連絡橋に衝突するなど大きな影響がでました。
北陸地方でも、南寄りの暴風が吹き荒れ、最大瞬間風速は金沢で44.3m/s、敦賀で47.9m/sなど、4県12地点で現在でも観測史上1位の記録となっています。北陸地方では収穫前のリンゴやナシ・ラフランスなどが暴風により落果するなど、果実の被害が大きくなりました。また、倒木や建物の損壊も多発し、金沢市では建物のトタン屋根が吹き飛ぶなどの事故が相次ぎました。
台風の進路の東側は特に風が強まりやすい
今回の台風10号も暴風域を伴いながら北陸地方に接近し、北陸地方の多くの所では台風の東側のエリアに入る予想ですので、南寄りの暴風に警戒が必要です。また、北陸地方は2018年の台風21号が通過した時期と同様、ナシやリンゴなど果実の収穫期~収穫前となっています。さらにコシヒカリなどコメの収穫直前の所も多くなっています。暴風による果実の落果や稲の倒伏のおそれがありますので、早めの対策を行って下さい。
高潮の発生にも注意・警戒
台風などにより、気圧が大きく低下すると、1ヘクトパスカルあたり海面を1㎝吸い上げる力が働きます。これを「吸い上げ効果」といいます。
また、台風や低気圧に伴う強い風が沖から海岸に向かって吹くと、海水は海岸に吹き寄せられ、海岸付近の海面が上昇します。これを「吹き寄せ効果」といいます。
台風や発達した低気圧の接近、上陸に伴って短時間のうちに急激に潮位が上昇し、海水が海岸堤防等を超えると一気に浸水します。高波が加わるとさらに浸水の危険が増します。さらに、満潮時刻と台風の接近時刻が重なる場合は特に注意が必要です。
また、令和6年能登半島地震によって海岸堤防等の被害や地盤変動等の影響を受けている地域では、特に満潮時の潮位が高くなる時期を中心に、浸水や冠水が起こりやすくなっています。
北陸地方の満潮時刻は28日(水)は新潟で8時前後、富山以西で8時過ぎ、29日(木)は9時過ぎの所が多くなっています。
台風が近づく前の備え
風が強まる前に、窓や雨戸をテープなどで補強しましょう。飛散防止フィルムを張るのも良さそうです。
屋外やベランダなどで植木鉢やハンガーなど飛ばされやすいものは屋内にしまっておきましょう。暴風で思わぬ凶器となってしまう恐れがあります。庭木や自転車など倒れやすいものはしっかりと固定しておきましょう。
浸水対策としては、雨どいや側溝などの掃除をしましょう。ゴミや落ち葉・砂などがたまっていると、排水できずに浸水してしまう恐れがあります。また、浸水しそうな場所に土のうを積んでおきましょう。