北陸桜開花予想 今年は記録的な早さ 統計開始以来最早の所も
桜「開花」予想 富山が北陸トップ 統計開始以来最早か
その他、福井の3月23日、金沢の3月24日、高田城址公園の3月28日、輪島の3月29日は、いずれも統計開始以来2番目に早い予想で、記録的に早い傾向となるでしょう。
桜「満開」予想 気温の高い日が続き、開花から満開も短く 統計開始以来最早を更新する所も
桜の開花・満開が記録的に早い理由は?
①:休眠打破は順調・・・この冬(12月~2月)は、12月後半や1月下旬など、強い寒気が流れ込んだ時期があり、厳しい寒さの日もあったため、桜の花芽の休眠打破※は順調に行われたとみられます。
②:3月の気温が記録的に高い・・・3月に入ってから、最高気温が20度を超える日も出てくるなど、気温の高い日が続いています。3月上旬の北陸地方の平均気温の偏差(平年からの隔たり)は、+3.3度で、観測史上最も高くなりました。中旬になっても気温の高い傾向が続いており、12日はフェーン現象で各地で気温が上がり、最高気温は富山・金沢で23.9度と、いずれも5月下旬並みの「汗ばむ陽気」となるなど、顕著に気温の高い状態が続いています。
③:この先も気温の高い日が多い・・・この先も、気温の高い日が多い予想で、桜の花芽は順調に成長するでしょう。
18日~19日に一時的な寒の戻りがありそうですが、寒気レベルは弱く、桜の花芽の成長に大きな影響はなさそうです。
20日~22日頃は、高気圧が東の海上へ移動し、北陸地方は南から暖かい空気が流れ込みゃすいでしょう。西から前線が本州南岸に延びてくる予想ではありますが、等圧線の走行は南北に立っており、冬型と真逆の「東高西低」となるため、北陸地方では南寄りの風となりやすく、場合によっては「フェーン現象」で気温が上がる可能性があります。この期間で花芽は一気に成長するでしょう。富山は2月以降、他の地点と比べて雪雲の影響を受けにくく、気温が高めに推移していたこともあり、このタイミングで開花に至る可能性が高いでしょう。
23日以降も多少気温が下がる程度で、平年より気温の高い状態が続くため、金沢や福井でも順次開花していく見込みです。
その後も4月のはじめまでは気温の高い状態が続き、桜の開花前線は一気に北上。新潟でも3月29日には開花し、統計開始以来の最早に並ぶ可能性があります。また、気温が高いことで開花から満開までの期間も短く、富山・金沢では統計開始以来最早の満開となる可能性があります。
冬にしっかりとした寒さの期間があって、3月に高温になるのは、桜の成長にとっては絶好の好条件となり、記録的な早さの開花・満開となるでしょう。また、予測地点以外の桜の名所も記録的に早い開花・満開となることが見込まれます。今年のお花見は早めの計画をお勧めします。
※休眠打破:前年の夏に形成され休眠に入った花芽が、冬になり一定期間の低温にさらされて目覚めること
桜の開花 3月の気温が重要 地球温暖化で早すぎる開花続出か

一方、3月の気温は2018年以降、記録的に高い年が続いています。新潟・富山・金沢・福井ともに、2018年以降、昨年まで5年連続で月平均気温の高い方からの上位10位以内に入っており、特に富山・金沢では5年連続で観測時の月平均気温の観測史上5位以内を記録しています。統計開始以来最早の開花となった2021年は4地点とも観測史上1位を記録しています。今年も記録的に気温の高い3月となる可能性が高く、桜の開花も記録的に早くなるでしょう。
3月はほかの月と比較しても気温の上昇が顕著な月となっています。これは、地球温暖化の影響で大陸の雪解けが早まったことで、太陽からの熱を吸収し、気温の高い気団が早い時期から発生し、移動性高気圧となって日本付近にやってくるためと考えられます。また、北陸で特に気温の上昇が顕著なのは、南高北低の気圧配置が多く出現し、南や西風となり、北陸で特に気温の上がる気圧配置が多くなってきている傾向と考えられます。
地球温暖化による早すぎる開花は、季節感覚のずれをもたらします。このまま地球温暖化が進行した場合、満開の桜の下での入学式は過去のものとなってしまうかもしれません。桜の早すぎる開花は地球温暖化のシグナルとして手放しで喜べない現状もあるのです。