2023年春の花粉飛散予測第4報 花粉シーズン本格化 広範囲で大量飛散ピーク長い
スギ花粉の飛散開始時期
この先、3月にかけて全国的に平年より気温が高くなる見込みで、すでに飛散開始している九州を中心にまもなく飛散のピークを迎えるでしょう。今年は大量飛散が見込まれる地域が多いため、花粉症の方はしっかりとした対策が必要です。
※飛散開始日:1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉を2日連続して観測した場合の最初の日
各地のピーク予測
スギ花粉のピークが終わる頃になると、ヒノキ花粉のピークが始まるところが多くなります。福岡や広島では3月下旬から4月上旬、高松では3月下旬から4月中旬の見込みです。大阪と名古屋では、4月上旬から中旬、東京では4月上旬から下旬にかけてヒノキ花粉の飛散のピークを迎えるでしょう。金沢と仙台は、4月を中心にヒノキ花粉が飛散しますが、飛散量は他の地点と比べると少ないため、はっきりとしたピークはない見込みです。
2023年シーズンの花粉飛散傾向【例年比】
【前シーズン比】
飛散量の予測根拠
2022年の夏(6月~8月)は梅雨前線の活動が弱く、特に6月の降水量は西日本の太平洋側でかなり少なく、日照時間は東日本の日本海側と西日本の太平洋側でかなり多くなりました。また、6月後半から7月上旬にかけて太平洋高気圧が強まり、東・西日本を中心に晴れてかなりの高温となりました。そのため、6月に「高温・多照・少雨」となり、スギの花芽形成に好条件となりました。さらに、2021年~2022年に花粉飛散量が少なかった地域が多く、スギの木に花芽を形成させるエネルギーが蓄えられていたため、より一層、スギの花芽形成が促進されたと考えられます。
【花粉の種類について】
北海道はシラカバ、その他はスギ・ヒノキ花粉の飛散量を表します。
【飛散量に関する言葉の説明】
非常に多い :前シーズン/例年の200%以上
多い :前シーズン/例年の150%以上200%未満
やや多い :前シーズン/例年の110%以上150%未満
前シーズン(例年)並 :前シーズン/例年の90%以上110%未満
やや少ない :前シーズン/例年の70%以上90%未満
少ない :前シーズン/例年の50%以上70%未満
非常に少ない :前シーズン/例年の50%未満
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前シーズン :2022年シーズン飛散量
例年 :過去10年(2013~2022年)の平均値
【2022年夏の気象に関する言葉の説明】
平年 :1991~2020年の平均値
◆日本気象協会の花粉飛散予測とは
日本気象協会は1990年からスギ花粉の飛散予測を発表しています。日本気象協会の花粉飛散予測は前シーズンの花粉飛散結果や今後の気温予測などの気象データをもとに、全国各地の花粉研究会や協力機関からの情報、花芽の現地調査の結果などをふまえて予測しています。