台風14号 あす20日にかけ広範囲で「危険半円」 どこで何に警戒すべきか
台風の進路
九州北部地方、中国地方、四国地方では、広い範囲で風速25メートル以上の暴風域に入っています。
このあと台風は、今夜はじめにかけて自転車並みの速度で山陰付近を東進。日付けがかわる頃から速度を上げて、20日にかけて本州付近を北東へ進み、21日までに千島の東で温帯低気圧に変わる見込みです。
20日にかけて、西日本から北日本の広い範囲で、台風の右側「危険半円」に入るため、厳重な警戒が必要です。
広く危険半円
今回の台風14号は、20日にかけて本州を横断するため、西日本~北日本の広い範囲で台風の右側「危険半円」に入るため、暴風に厳重な警戒が必要です。
猛烈な風に警戒
「猛烈な風」とは、平均風速が30m/s以上の風を表しています。時速だと、およそ110km以上で、特急電車並みの速さです。このような猛烈な風が吹くと、走行中のトラックが横転したり、多くの樹木が倒れたりする恐れがあります。電柱や街灯で倒れるものや、ブロック塀や住家が倒壊するものがでる可能性もあります。(なお、瞬間風速は平均風速の1.5倍程度になることが多く、時には3倍以上になることもあります。)
屋外での行動は極めて危険です。九州では19日いっぱい、中国・四国では20日未明にかけて、近畿・東海・北陸はあす20日午前にかけて、不要不急の外出は控えるようにしてください。また、関東甲信もあす20日午前は最大風速23メートル、瞬間的には35メートルの暴風が吹くおそれがあるため警戒が必要です。
【19日に予想される最大風速(最大瞬間風速)】
九州北部地方、中国地方、四国地方、近畿地方 30メートル(45メートル)
九州南部、北陸地方、東海地方 25メートル(35メートル)
【20日に予想される最大風速(最大瞬間風速)】
中国地方、近畿地方、北陸地方 30メートル(40メートル)
四国地方、東海地方、東北地方 25メートル(35メートル)
関東甲信地方、北海道地方 23メートル(35メートル)
また、西日本ではうねりを伴って猛烈なしけとなり、東日本から北日本では大しけとなる所がある見込みです。高波・高潮にも警戒が必要です。
線状降水帯発生のおそれも
「猛烈な雨」とは、雨の表現としては一番上で、息苦しくなるような圧迫感があり、恐怖を感じるくらいです。また、傘は全く役にたたないレベルで、木造住宅の屋内では、寝ている人の半数くらいが雨に気づくほどです。外では水しぶきで、あたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなるため、車の運転は危険です。
台風の中心に近い日本海側はもちろん、四国や紀伊半島の南東斜面は特に警戒。東海や関東でも、局地的にゲリラ的な雨の降り方となるため警戒が必要です。
【20日12時までの24時間に予想される雨量(多い所)】
東海地方 400ミリ
近畿地方、関東甲信地方 300ミリ
四国地方 250ミリ
中国地方、北陸地方、東北地方、北海道地方 150ミリ
九州北部地方 100ミリ
【その後、21日12時までの24時間に予想される雨量(多い所)】
北陸地方、関東甲信地方、北海道地方 50~100ミリ
線状降水帯が発生した場合は、局地的にさらに雨量が増えるおそれがあります。九州北部地方、中国地方、四国地方では19日日中にかけて、近畿地方では20日午前中にかけて、東海地方では19日夜から20日午前中にかけて線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる可能性があります。
土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒してください。北日本でも、20日にかけて大雨となるおそれがあるため、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒してください。
また、落雷や竜巻などの激しい突風に注意してください。発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には、建物内に移動するなど、安全確保に努めてください。