南の海上 積乱雲が発達中 まだ台風シーズン 10月の台風は勢力が強い 動向に注意
南の海上 積乱雲が発達

今年の台風は、10月5日までに16個発生、3個が上陸しています。平年の発生数は25個くらいなので、あと10個くらい発生してもおかしくない状況です。10月も台風シーズンが続くため、まだまだ油断は禁物です。
10月は強い勢力で上陸することが多い

強い勢力になる理由

台風は海面から蒸発する水蒸気をエネルギーに発達します。海面水温が高くなると、水蒸気が多量に供給されるため発達しやすくなります。水は熱しにくく冷めにくいため、気温のピークより遅れて高くなります。日本近海の海面水温は夏よりも秋の方が高い事が多いです。今年は沖縄周辺海域で9月の海面水温が、解析値のある1982年以降、最も高い値を観測したと沖縄気象台が10月1日に発表。現在も、沖縄付近の海面水温30℃近くあり、台風が発達しやすい状況が続いているため注意が必要です。
【理由その②】スピードが速い
秋は上空の強い風(偏西風)が日本付近に南下。台風は日本付近に近づくと、偏西風に乗り加速。台風が加速すると台風を押し流す風と台風自身の風が合わさり進行方向の右側で特に強くなります。結果、強い勢力のまま上陸しやすくなるためです。
10月に発生した台風災害
過去には、世界で一番中心気圧が下がった記録を持つ台風が10月に発生しています。1979年台風20号は、10月6日にトラック島近海で発生、沖ノ鳥島近海で中心気圧870hPaを記録(ハリケーンやサイクロンを含めて史上最低気圧)、10月19日に和歌山県白浜町付近に上陸(過去6番目に遅い上陸)後、本州を時速95kmと猛スピードで駆け抜け暴風などの被害をもたらしました。
台風シーズンは9月というイメージがありますが、10月もまだまだ油断禁物です。ちなみに、上陸が最も遅い記録は1990年11月30日。
当面は、南の海上の発達した積乱雲群に注意が必要です。