災害時に高齢者はどう生き延びる 人命救助が優先される3日分は確保を #知り続ける
もし被災したら 高齢者は「健康状態」について一番不安
まだ避難生活を送っている方もいます。若く健康な方でさえ辛い避難生活は、高齢の方にとってはさらに辛いものであると想像できます。
今回は、全国のYahoo! JAPANユーザー1000人(65歳以上の方とそのご家族)を対象に「防災」に関するアンケートを実施しました。
まずは、高齢者の方が被災した時に何に不安を感じるかを知るために「もし、被災してしまった場合、不安や心配に感じることはありますか?(複数選択可)」と聞きました。半分以上の方が、全ての選択肢である「健康状態について」「必要な物資の供給があるかどうか」「避難場所の環境に適応できるかどうか」「今後の生活について」「適切な医療を受けられるかどうか」を選択するという結果になりました。
その中でも最も心配に思っていることは「健康状態について」でした。高齢者は持病を持つ方も多くなるため、このような結果になったと考えられます。
実際に被災した高齢者は「衛生環境」に不安を感じた
実際に、避難所での集団生活の経験がある高齢者の方に「被災当時、ご自身や高齢の家族のことでどんなことに不安や心配を感じましたか?(複数選択可)」とアンケートをとったところ、様々なことについて不安や不便に感じていたことがわかりました。中でも、65%の方が「衛生環境について」不安や不便に感じたと回答していました。
健康な方でも不安や不便に感じる避難所での集団生活は、高齢者にとっては計り知れないほどの負担になることが想像できます。
避難時に必要なもの 必要なものはなるべく自分で揃えておこう
大規模な災害が発生した場合、被災地の外から、十分な食料支援を受けられるようになるには、数日程度かかることが想定されます。
自治体の避難所の備蓄品の多くは、一般的な人が生き延びるのに必要なもので構成されています。高齢者はそれぞれで準備が必要になります。自治体の備蓄は補助的なものと考え、被災地以外からの支援を受けられるまでの数日間に必要なものはなるべくご自身で用意しておくようにしましょう。
高齢者に必要な備蓄品 無理をしない避難生活を送るために
災害時、高齢者の方にとっては、パンや乾燥した食品では喉に通りにくかったり、お湯を沸かして注ぐ手間も大変だったりします。普段食べ慣れているものを、少し多めに用意しておきましょう。お水やお茶に簡単にとろみをつけられるように「とろみ剤」を準備しておくと安心です。
避難所などのトイレは混んでいたり、高齢者には使いにくいこともありますので、普段はあまりおむつを使用しない方でも、多めに準備しておくと良いでしょう。おむつは吸水性が高いので、汚れそうなところや水を使う処置のときに下に敷くなど、活用することもできます。
万が一に備えて 薬の確保をしっかり

当時、高齢の家族と暮らしていた東北支社の職員によると「何より病院も薬品不足が続いており、健康状態が最大の懸案だった」そうです。
隣の薬局は早めに再開したようですが、医療品の流通が滞っていたこともあり、薬局同士で連絡を取り合いカバーしあっていると薬剤師から説明を受けたようです。慢性的なガソリン不足にも陥っていたことから、薬局としても長距離での調達は難しく、在庫がありそうな薬局を尋ね、運よく隣町に薬があるという情報を手に入れることができたと言います。この職員は近所から自転車を借りて調達に行ったようなのですが、小規模な道路は破損がひどく、通行止めになっている道もあり、薬局に辿り着くまでに時間がかかったようです。また、車が動かせれば知らない土地でもナビがあればなんとかなるものの、自転車移動であったため、電柱の住所を見たり、通行人に聞き込みしたりして苦労をして薬を手に入れたと話しています。
今回のアンケートでも「健康状態について」の不安が一番多く、薬の確保は高齢者が被災した際の大きな懸念点となることが考えられます。
災害によっては、薬がなかなか手に入らないことも考えられます。疾患によっては毎日服用しなければならない薬もありますので、万が一に備えて、かかりつけの医師に相談し、普段飲んでいる薬は多めに確保しておくようにしましょう。また、いま飲んでいる薬についてご家族が把握しておくことも重要です。
お薬手帳があれば避難先の薬局でも必要な薬を処方してもらうことができます。避難の際はお薬手帳も忘れずに持って行くようにしてください。
この記事は日本気象協会とYahoo!ニュースによる共同企画記事です。
Yahoo!ニュースが実施したアンケート調査を活用しています。
アンケートは2月1日に、全国のYahoo!JAPANユーザーを対象に行い、1000人から有効回答を得ました。