仙台管区気象台に新型気象レーダー 大雨の監視能力強化
14年ぶり 新しいレーダーに更新

新型の特徴は「二重の電波」

そもそも気象レーダーは、アンテナから電波を発射し、雨や雪などにあたって反射した電波を受信する装置です。発射した電波が戻るまでの時間で距離を測り、戻った電波の強さで雨や雪などの強さを観測します。
これまでの気象レーダーは、水平方向に波打つ一種類の電波を使っていました。
新型の気象レーダーは水平に加えて、垂直に波打つ電波も同時に使います。このため「二重偏波気象レーダー」と呼ばれます。二種類の電波を使うことで、雨・雪などの種類を判別したり、雨の強さをより正確に捉えることができます。
「二重の電波」雨の強さは正確に 降水の種類も判別

新型の気象レーダーが横に長いおまんじゅう型の雨粒を観測するときは、水平の電波の方が垂直の電波よりも強く反射します。このように二つの反射した電波の違いによって、降るものの形(降水粒子の形)が分かるので、雨・雪・雹などの種類を判別できます。
また、電波の進む速さは、水中の方が空気中より遅い特徴があります。おまんじゅう型の大きな雨粒がたくさんあるようなときは、水平の電波の戻りが遅くなるため、大雨が降っているとわかります。
新型レーダーで期待されること

風薫る5月が過ぎれば長雨の季節です。気象レーダーはスマートフォンなどからも確認できます。大雨が心配されるときは危険な降り方になっていないか確認してみてください。