今年の紅葉はなぜ遅い?今週は寒さ戻って色付き進む
紅葉前線 例年よりゆっくり南下
全国の気象台では、カエデの紅葉・落葉を観測しています。きょう18日、長野でイロハカエデの紅葉が観測されましたが、平年より11日遅い観測となりました。また、きのう17日に観測された盛岡も、平年より9日遅い観測でした。新潟や福島では、今年はまだカエデの紅葉は観測されておらず、同じく平年より遅い紅葉となっています。
今年の紅葉 なぜ遅い?
この11月に入って、ようやく朝晩の冷え込みが強くなってきたため、遅れていた地域でも、やっと色付きが進み始めたと言えそうです。
そもそも、なぜ秋になると紅葉するの?

落葉樹の葉の色素には3種類あって、それぞれどの色が多いかで葉の色が決まります。緑色がクロロフィル、黄色がカロテノイド、赤色がアントシアンです。通常は、クロロフィルとカロテノイドが含まれています。
秋になり空気が乾燥して気温が下がってくると、冬を乗り越えるために、最小限の水分と栄養でやりくりできるように、木は葉を落とす準備をはじめます。葉への水分と栄養の供給がストップすると、緑色のクロロフィルが衰退・分解されて、次第に緑色が消えていきます。イチョウの場合は、残ったカロテノイドの色が「黄色い紅葉」の正体です。カエデの場合は、この仕組みに加えて、光合成によって糖が生まれ、蓄積されていきます。この糖は、紫外線を浴びるとアントシアンに変化するため、徐々に赤くなっていくのです。
美しい紅葉は、植物が冬を耐え抜くためのものだったのですね。