熱帯擾乱が発生する可能性 エルニーニョ現象の影響で梅雨明けしても雨の降り方に注意
梅雨末期の大雨 11日にかけて警戒
降り始めから、きょう9日午後3時までの降水量は、島根県松江市鹿島で255.0ミリ、大分県日田市の椿ヶ鼻で247.5ミリ、島根県出雲市で238.0ミリを観測、松江市鹿島と出雲市では、たった3日で平年7月ひと月分を超える雨になりました。松江市鹿島では、24時間降水量の期間最大値は224.5ミリを観測し、統計開始の1976年以来、年間を通しての1位の値を更新しました。
梅雨前線は、11日にかけて、日本海に停滞するでしょう。東北はきょう9日まで、九州から関東は11日にかけて、雷を伴って非常に激しい雨が降り、大雨になる所がある見込みです。
これまでの大雨で地盤が緩んでいる地域があります。土砂災害に厳重に警戒し、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒してください。
熱帯擾乱が発生する可能性 梅雨前線の動向に影響 梅雨明けどうなる?
今後、熱帯擾乱が発生したとしても、台風まで発達するかはまだわかりませんが、この海域で、対流活動が活発になると、太平洋高気圧は北への張り出しを強めます。
14日頃から、太平洋高気圧は一気に勢力を強め、梅雨前線は北海道付近まで北上するでしょう。
梅雨明けの平年日は、九州南部15日ごろ、四国17日ごろ、九州北部から関東甲信19日ごろ、北陸23日ごろ、東北南部24日ごろ、東北北部28日ごろです。
今年は、平年と大きく変わらず梅雨明けする地域が多くなりそうです。
エルニーニョ現象の影響 梅雨明けしたとしても雨の降り方に注意
これは、現在発生しているエルニーニョ現象の特徴の一つです。この影響で、一旦勢力を強めた太平洋高気圧は、北への張り出しを弱める可能性があります。偏西風が本州付近を流れ、雨雲が発生、発達しやすくなることもあるでしょう。前線が再び本州付近に停滞するようになり、広く雨が降ることもあるかもしれません。
たとえ梅雨が明けたとしても、今年の夏は、雨の降り方に注意が必要です。今後、最新の長期予報をご確認ください。
なお、エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状況が1年程度続く現象です。世界中の異常な天候の要因になり得ると考えられています。