記録的な大雨 引き続き土砂災害に警戒 4日頃から再び西日本を中心に大雨の可能性
梅雨の最盛期 記録的な大雨に
降り始めから、きょう1日午後1までの雨量は、大分県日田市の椿ヶ鼻で526.5ミリ、熊本県湯前町の横谷で496.5ミリを観測しました。いずれも平年6月または7月ひと月のおよそ7割から8割の雨が、ここ数日で降ったことになります。
この期間の48時間降水量は、山口県山口市で332.5ミリを観測し、統計開始の1976年以降、年間を通しての1位の値を更新しました。福井県敦賀市では158.5ミリ、石川県志賀町では165.0ミリを観測し、いずれも統計開始の1976年以降、6月の1位の値を更新、北陸などでも記録的な大雨になっています。
引き続き土砂災害に警戒・注意
これまでの大雨で、すでに地盤の緩んでいる所があります。土砂災害に警戒、注意を続けてください。
愛媛県大洲市大洲を流れる肱川など、増水している河川もあります。たとえ、雨が弱まったり止んだりしても、川は、上流で降った雨により、これから水位が上がることがあります。増水した川には近づかないでください。
今回の大雨の原因
日本海から南下する前線に向かって、雨雲の元である暖かく湿った空気が、2つの方向から流れ込みました。
一つは、インドシナ半島から中国華南を通って流れ込む、モンスーンによるものです。もう一つは、フィリピンの東から沖縄を通って流れ込む、太平洋高気圧の周辺部に沿った空気の流れです。いずれも、大量の水蒸気を含んでいます。この2つの水蒸気を含む流れが、九州付近で合流し、雨雲が発達しやすくなりました。前線の北側の上空に、比較的冷たい空気が流れ込んだ影響もあり、積乱雲は次々に発生、発達しました。過去の大雨災害にもよくみられるパターンです。
4日頃~次の週末 広く雨雲発達しやすく 大雨になる所も
4日頃から、再び、前線が日本海に停滞するようになり、次の週末にかけて、本州をゆっくり南下する見込みです。前線に向かって、南から暖かく湿った空気が流れ込むでしょう。今回と同じように、前線の北側では、上空に比較的冷たい空気が流れ込みやすい見込みです。九州から近畿を中心に、同じような場所で雨が降り続く恐れがあり、大雨になる所があるでしょう。梅雨の最盛期の大雨に警戒、注意が必要な時期はまだ続きそうです。
大雨が落ち着く2日、3日のうちに、今一度、避難場所や避難経路の確認など、大雨への備えをしておくとよいでしょう。