ラニーニャ現象続く 10月の台風発生に特徴が! 晩秋~冬の寒さどうなる
夏からラニーニャ現象続く
台風14号 動きが遅く 伊豆諸島に接近した後は進路を南へ!?
台風の北には前線が停滞し、台風周辺の暖かく湿った空気が前線に流れ込んだ影響で、前線の活動が活発になりました。九州から関東を中心に雨が降り、48時間降水量は、大阪市で10日9時20分までに116.0ミリ、名古屋市で10日13時50分までに162.0ミリの雨を観測し、いずれも平年の10月ひと月分の雨量を、たった48時間で超えました。
台風14号は、10日午後から11日朝にかけて、伊豆諸島に接近しました。三宅島空港では、10日16時59分までの1時間に86.0ミリの雨を観測。また、11日1時30分までの72時間降水量は、586.5ミリを観測し、平年の10月ひと月分の雨量を超えました。
台風は、通常、地球の自転の影響で北上します。ところが、台風14号は、伊豆諸島に接近した後、進路を南よりに変えました。この原因として、南鳥島近海の上空6000メートル付近に反時計回りに吹き込む風の流れがあり、この影響を受けたと考えられます。
10月の台風 発生位置がラニーニャ現象時の傾向に
対流活動が活発な海域は、次第に東へ移ってきており、カロリン諸島付近で、29日21時に台風20号が発生しました。台風20号は、31日15時、フィリピンの東を西よりに進んでいます。
10月の気温 北海道や東北北部で高かった
ラニーニャ現象時の秋(9月~11月)の統計的な傾向は、沖縄・奄美、九州から近畿で、気温が平年より高くなります。ただ、10月の1か月だけでみると、その傾向は顕著にはみられませんでした。
ラニーニャ現象 冬にかけて続く可能性高い 今後の気温の傾向は?
気象庁が23日に発表した、11月から1月にかけての3か月予報によると、今後冬にかけて、ラニーニャ現象が続く影響で、偏西風は大陸で平年より北を流れやすく、日本付近では南に蛇行する見込みです。このため、シベリア高気圧は南東側にやや張り出しやすく、関東付近から九州、沖縄・奄美にかけて、寒気が流れ込みやすい時期があるでしょう。ラニーニャ現象時の冬(12月~2月)の統計的な傾向は、沖縄・奄美、九州から関東で、気温が平年より低くなります。
月別の平均気温は、11月は、全国的に暖かい空気に覆われやすく、平年並みか高い見込みです。12月は、沖縄・奄美、九州から関東では寒気の影響を受けることがあり、平年並みか低いでしょう。冬らしい寒さになりそうです。1月は、沖縄・奄美、九州から関東では、ほぼ平年並みの見込みです。一方、東北や北海道では、寒気の影響を受けにくく、平年並みか高いでしょう。