5月の雨と高温の記録 8月にかけての天候
5月 偏西風が南北に蛇行
5月として記録的な雨 沖縄・奄美・九州南部では梅雨入り
14日は、東シナ海の前線上に低気圧が発生し、奄美付近を通過しました。15日は、前線が大陸から沖縄本島付近、さらに日本の南に延びて、20日にかけて停滞しました。14日頃、奄美地方は平年より3日遅く、16日頃、沖縄地方は平年より7日遅く、梅雨入りしたとみられる、と発表がありました。18日は、日本のはるか東に中心をもつ高気圧の縁をまわって、九州南部付近に暖かく湿った空気が流れ込みました。局地的に雨雲が発達し、屋久島では、日降水量439.5ミリを観測。たった1日で5月1か月の平均雨量に近い雨が降り、観測開始の1938年以来、5月の1位となりました。
20日は日本付近に暖かく湿った空気が流れ込み、22日にかけて寒冷前線が日本列島を通過しました。20日、宮崎では1時間降水量61.0ミリを観測。21日、和歌山でも1時間降水量55.5ミリを観測。いずれも、5月の1位となりました(観測開始は、宮崎1925年、和歌山1933年)。静岡では、24時間で204.5ミリの雨が降りました。こちらも5月1か月の平均雨量近くの雨が、たった24時間で降ったことになります。
31日、大陸から東シナ海に前線が延び、九州南部には湿った空気が流れ込みました。九州南部が梅雨入りしたとみられる、と発表がありました。
史上初 全国で降水0.0ミリ 記録的な高温
25日、雨を降らせる雲どころか、日差しを遮る雲もほとんど広がることはありませんでした。強い日差しに加え、日本列島は上空1500メートル付近で15度以上の暖気にすっぽり覆われました。最高気温は大分県の竹田で35度0分を観測、全国で今年初めて35度以上の猛暑日に。
26日は、北海道の上空1500メートル付近で21度以上と、5月として統計開始の1957年以来、最も暖かい空気が流れ込みました。北海道の佐呂間で最高気温39度5分を観測。北海道で1年を通して観測史上最も高く、5月としては1993年5月13日に埼玉県の秩父で観測した37度2分の記録を更新して、全国で最も高くなりました。東京都心は32度6分で、観測開始の1876年以来、5月の1位となりました。
高温が長く続いたことも記録的となりました。最高気温が30度以上の真夏日が続いた日数は、札幌は3日、東京都心と名古屋は4日、京都は5日で、いずれも5月に、これほど真夏日が続いたのは、史上初めてです。
6月~8月の天候
6月は、沖縄や奄美は、前線の影響を受ける期間が長いでしょう。7月は、九州から関東を中心に、梅雨前線の影響を受けやすくなる見込みです。九州から関東では、平年に比べて曇りや雨の日が多いでしょう。沖縄、奄美では、平年と同様に晴れる日が多くなる見込みです。8月は、九州から北海道にかけて、前線や湿った空気の影響を受けやすく、平年に比べて晴れる日は少ないでしょう。
気温は、6月は九州から北海道は高温傾向で、前半はかなり高くなる所があるでしょう。7月、8月は、ほぼ平年並みの見込みです。